父と娘のマジトーク「お父さん、前よりキモさがアップしているよ」:重版決定! 父の日を控え特別企画(2/6 ページ)
書籍『お父さんがキモい理由を説明するね』の発売から1年、このたび重版が決まったのを機に、中3になった娘と改めて話し合ってみました。締め付けと放任主義どちらの子育てがいいのか、中3女子にスマホは必要なのか、考える力はなぜ大切か。そして父は結局キモいままなのか……?
締めつけ型の親 VS 放任主義の親
父: サオリはお父さんの元で約15年間生きてきたわけだが、お前がお父さんを評価するとして、オレはよい父親だったか?
娘: 真顔で尋ねられると答えにくいな……。まず、親って大きく2パターンあると思うんだ。「厳しく締めつけてくる親」と「自由を与えて放任する親」と。
父: サオリの中で、どっちが良いとか悪いとかあるの?
娘: いや、良いとか悪いとかじゃなくて、どっちも理由があってのことだよね。厳しくする親はしつけとかマナーを大事にして、放任する親は自分で考える力を身につけさせたいとか、考えがあるはずだよね。
父: 自由を与えられすぎて、調子に乗る子供もいるし、厳しくされすぎて反発する子供もいるしな。で、お父さんはどっちだろう。
娘: 自由を与えて放任するほうだね。
父: そうか?
娘: そうだよ。あたしが小さい頃から、あれをやれ、これをするなってお父さんから命令された記憶がない。
父: 意図的にそうしていたからね。サオリだって、厳しくされるよりも自由があるほうがいいだろ。
娘: 命令されるのは嫌い。こっちの言い分を聞かずに一方的に動かそうとされると、むかっとくる。お母さんはガミガミうるさい派で細かく指示してくるタイプだよね。お父さんはその逆。だからバランスは取れていて、これはこれでいいんじゃないかとも思ってる。
父: 別に、夫婦で役割分担を決めているわけじゃないが、結果的にそうなっているね。
子どもにも事情がある
娘: 3カ月位前にさ、「今夜は外食に行くから、17時に全員自宅に集合!」って朝に決めたことがあったでしょ。その日は部活だったんだけど、ミーティングが長引いて17:30を過ぎてもまだ学校だった。
父: 覚えているよ。
娘: 大幅遅刻していたのは分かっていたけど、副部長って立場上、後輩たちを放ったらかして帰るわけにもいかない。でもお母さんは「まだなの?」、「17時って約束でしょ」ってじゃんじゃんメールを寄こしてきたの。
父: うんうん。
娘: こっちも事情があるんだけどなぁって焦っていたら、お父さんが「べつに遊び呆けているわけではなく、部活で忙しいのだから出発が遅れたってかまわん。部活の用事に集中しなさい」ってお母さんをおさめてくれた。事情を察して、あたしの立場を尊重してくれたって思って、うれしかったんだ。
父: ナイスプレーだった?
娘: ナイスだったね。
意図的に自由にさせていた理由
娘: さっき、「意図的に自由にさせていた」って言っていたけど、どういうこと?
父: その質問の答えはちょっと置いておいて……サオリは小学生時代の自分を振り返って、どんな子供だった?
娘: 何も考えずに本能で動いていたかな。やりたいことをやりまくって、ノーテンキに生きていた。ただ、勉強や宿題はきちんとやったよ。夏休みの宿題は計画的にこなしたから、8月末に慌てるなんてこともなかった。それに関してはキチンとした子供だったと思う。
父: うむ、当時から自己管理能力はあったと思う。お父さんも「勉強しろ、宿題忘れるな」とか一切言う必要がなかったくらいだ。中学校に入ってからは、何か変わったりしたの?
娘: ものすごく考えるようになった。理由は、1年のクラスには知っている人が一人もいなかったから。小学校時代の友達のほぼ全員が別の中学校に進学しちゃったからね。新しいクラスメイトたちとどう話を合わせて、仲良くなるかってことばかり考えていたかな。だから一学期は緊張してた。
父: 考える習慣がついたキッカケということだな。
娘: 考えざるをえない環境に置かれたからね。
父: お父さんはサオリに”考える力”を身につけてほしいから、なるべく命令や指示をしないよう心がけているんだ。それが「意図的な自由」ってこと。
娘: 確かに、習い事だって自由に選ばせてくれたし、飽きたから辞めるってなったときも引き止めなかった。でも、自由にさせ過ぎると、子供が甘えん坊になってしまう気もする。
父: 盲目的な甘やかしにならないよう、注意してはいるつもりだぞ。
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