父と娘のマジトーク「お父さん、前よりキモさがアップしているよ」:重版決定! 父の日を控え特別企画(4/6 ページ)
書籍『お父さんがキモい理由を説明するね』の発売から1年、このたび重版が決まったのを機に、中3になった娘と改めて話し合ってみました。締め付けと放任主義どちらの子育てがいいのか、中3女子にスマホは必要なのか、考える力はなぜ大切か。そして父は結局キモいままなのか……?
好きなことをして幸せになってほしい
娘: ”考える力”を身につけてほしいから、なるべく命令や指示をしないって話に戻るけど、お父さんはなぜそんなに”考える力”にこだわるの?
父: すべての親は、我が子の幸せを願うものだ。親は親の考える”幸せの定義”に則って子供を育てるだろ。
娘: うん。良かれと思って厳しくしたり、逆に甘えさせたり、物を与えたり、与えなかったり。お父さんにとっては、「幸せ=考える力がある」ってこと?
父: 考える力がある状態が幸せって意味ではなく、幸せになるための条件って感じかな。サオリは、お父さんが「大金を稼ぐ」のと「好きなことをする」のどっちに重きを置いて生きていると思う?
娘: (間髪入れず)そりゃ「好きなことをする」だよ。やりたい仕事をしているって様子は私にも伝わってくる。いつも嬉しそうじゃん。あと、そんなにカネカネって言わないし。
父: そう。仕事が面白いか、楽しめるかってことが幸せに大きく関わるって思っている。「好きなことをして幸せになる」には、自発的に考える頭脳が不可欠だとお父さんは信じているんだ。
強靭な”考える力”が備われば、きっと幸せになれる
父: お父さんは、サオリに好きなことに打ち込んでほしい。対象はなんだっていい。リッチになれるかどうか、お父さんがそれを気に入るかどうかは関係ない。お前さえ幸せであれば、地球の反対側で生きてくれていてもかまわない。
娘: そこまで思うの?
父: 好きなことを仕事にするとか、その道で突き抜けた存在に登りつめるためには、めちゃめちゃ悩んで考えて、迷いつつも意思決定して、勇気を出して行動して、批判されたり失敗してもくじけず挑戦しつづけなきゃならんってこと、想像つかない? 少なくとも、人任せな受け身や指示待ちじゃぜったいに実現しないよね。
娘: 思う。それはすごく同意できる。
父: それには、ムッキムキに強靭な「考える力」が必要だと思うわけ。単純な知識量とかスキルとは違うし、IQでもない。
娘: 行動する力とか、自分を信じる力とか……?
父: そうね。柔軟な思考力、豊かな創造性、人の真逆を突く斬新さ、常識を疑うモノの見方、素直かつ柔軟に学ぶ謙虚な心、そこまでやるかと思わせる破天荒さ……とかがそれに当たるかなあ。考える力以外の要素も混じってきているけど(笑)。
娘: 最近思うのは、なんでもいいから経験しまくるって大事ってこと。未経験のことをしたら、新しい興味が見つかるかもしれない。いろいろ経験するのって、やりたいことを見つける近道だと思うんだ。やりもせずに面白くないって決めつけちゃダメ。食わず嫌いはよくないよね。
父: 考えも行動もせず、「毎日がつまらない。面白くない」ってボヤく人がいたらどう思う?
娘: なんでもかんでも人に訊かずに、自分で考えろ。自分で行動して勝手に見つけろって思う。お父さんって、あたしが小学生低学年のころから何か質問するたびに、「自分で考えてみた?」とか「サオリの考えを聞かせて」が口癖だったよね。当時から“考える力”を意識していたの?
父: うん。考える人間に育てるには、サオリにどう接すればいいのか、何を与えて、何は与えてはいけないのか、甘やかすタイミングなのか、突き放すべきなのか……そういうことは四六時中考えてきた。今後も、どうすればサオリが幸せになるかを考えて行動する。そこにブレはないよ。
娘: ……そこまで考えてくれていたってことはうれしいな。理由が分かれば、どんなに厳しくされてもナットクできるって思う。
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