食品メーカーの味の素は、主力製品のうま味調味料「味の素」の生産工程をより海外に移管する。国内で唯一の生産拠点である川崎工場で行っている「精製工程」を2015年度中に停止し、ブラジルおよびインドネシアにあるグループ会社での生産に変更する。
味の素の生産工程は、(1)原料(さとうきびなど)を発酵しグルタミン酸を作り出す発酵・粗製工程、(2)グルタミン酸から調味料として使いやすいグルタミン酸ナトリウム(MSG)を作る精製工程、(3)MSGに核酸(かつお節などに含まれるうま味成分)を合わせてうま味を強める倍散化工程、(4)倍散化したうま味調味料をさまざまな製品形態に合わせて包装する包装工程、の4つに大きく分かれる。
同社はこれまで海外のグループ会社からグルタミン酸を輸入し、国内工場で精製工程、倍散化工程、包装工程を実施していたが、今後は海外で精製工程までを行うようにする。
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