ニュース
「日本の技術を世界に」──中国ネット大手を買収に走らせた、東大発ベンチャーが持つ有望技術とは(1/2 ページ)
バイドゥがネイティブ広告関連サービスのpopInを経営統合した。今後popInは中国Baiduに技術支援などを行っていくという。
検索サービス大手・中国Baidu(百度)の日本法人・バイドゥは6月8日、ネイティブ広告関連技術を開発するpopInの全株式を買収したと発表した。取得額は非公開。popInの技術をBaiduの広告プラットフォームに導入することで、アジアを中心としたグローバルでの事業展開を加速させたい考えだ。バイドゥの張成煥社長は「これからも日本企業の技術を世界に発信していきたい」と意気込む。
popInは東京大学発のベンチャー企業で、2008年7月に程涛社長が東京大学大学院の在学中に創業した。これまで200以上のメディアサイトに記事のレコメンデーション機能とネイティブ広告を配信している。サイトからの離脱率や滞在時間などを基にユーザーの熟読度合いを計測する独自技術「READ」により、ユーザー一人一人に最適な記事やネイティブ広告を提供できるのが強みだという。
買収の背景にあるのは、ネイティブ広告市場の急拡大だ。調査会社の米BIA/Kelseyによると、世界のネイティブ広告市場は2014年に54億ドル(約6773億円)だったのが、2015年には79億ドル、2019年には184億ドルに達すると予測されている。加えて、日本でもネイティブ広告のモバイル化が加速しており、2017年には2014年の10倍近い350億円の市場規模になるという(CyberZおよびシードプランニング調べ)。
関連記事
- 「年内にモバイルがPCを抜く」 百度CFOが語るビジネス戦略の全貌
百度のナンバー2であり、最高財務責任者として経営を指揮するLi Xin氏をインタビュー。今後の成長戦略などを聞いた。 - 米国スタイルで“チャイニーズ・ドリーム”をつかんだ百度
今や6億1700万人を超える中国のインターネット人口。その巨大市場を作り上げたといっても過言でないのが、検索サービス大手の百度だ。北京本社への取材などから同社の成長をひも解く。 - 8億人が利用するサービスはここから生まれた 中国ネット最大手・Tencentの素顔
16年前、創業すぐにTencentが提供を始めたメッセージングツール「QQ」は、今や8億を超えるアカウント数に。“中国版LINE”といわれる「WeChat」も好調だ。深センにある本社への取材を通じ、同社の素顔に迫った。 - 「利益よりもユーザーを最優先」 Tencent・QQ事業のトップに聞く
Tencentのソーシャルプラットフォーム責任者として、主にメッセージングツール「QQ」のサービス全体を統括する湯道生シニアエグゼクティブ・バイスプレジデントが事業成長のポイントを語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.