ご存じ? 女性ファイター「ロンダ・ラウジー」のスゴさ:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
総合格闘技「UFC」でトップを張るロンダ・ラウジーをご存じだろうか。現UFC女子世界バンタム級王者の彼女は今、全米はもちろん世界に“革命”を起こしつつあるのだ。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
男性の目から見てもカッコいい。そう思わずにはいられない1人の女性ファイターが米国にいる。総合格闘技「UFC」でトップを張るロンダ・ラウジーだ。現UFC女子世界バンタム級王者の彼女は今、全米はもちろん世界に“革命”を起こしつつある。チャンピオンに君臨するやいなや、その名を轟(とどろ)かせ、男性ファイターにまったく引けを取らない激しいファイトでそれまで世間に浸透していなかった「女子MMA(総合格闘技)」という分野を確立させたからだ。
直近の試合は2月28日。カリフォルニア州ロサンゼルスのスタップレスセンターで行われた「UFC184」のメーンイベントでラウジーは同王座5度目の防衛戦に臨んだ。相手はMMAデビュー以来、破竹の9連勝をマークしていた同級1位のキャット・ジンガーノ。「さすがにナンバー1コンテンダーだけあってラウジーも苦戦するのではないか」と見る向きもあったが、それは杞憂(きゆう)に終わった。ラウジーは試合開始からわずか14秒、ストレートアームバー(腕ひしぎ十字固め)を決めてタップアウト勝ち。同大会全11試合(男子の試合は全9試合)のメーンを張り、その期待にこたえる壮絶な圧勝劇で会場に集まった1万7654人の大観衆を大きく沸かせた。
これでMMA戦績は11戦11勝の負けなし。「ストライクフォース」(ラウジーが参戦していたMMAの団体。現在は消滅)時代も含め世界戦は7試合と実に半分以上がタイトルマッチという他に例を見ないキャリアを積み重ねているラウジーの注目度は日を追うごとに増し続けており、特に米国内における人気は相当に高い。
収入も他の超一流スポーツ選手たちと引けを取らない。米スポーツ専門局『ESPN』や経済専門誌『フォーブス』などの情報を総合するとラウジーの2014年の年収は約600万〜700万ドルと見られており、そのうち半分以上は契約したスポンサーからの収入だという。CMキャラクターとしてもこれだけの額を稼ぎ出すことを考えれば、彼女が世間でいかに高い人気と注目度を誇っているかが十分に理解できる。
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