病院検索サイト「ZocDoc」のエンジニアは、どんなビジネスを考えているのか:日米のビジネス事情の違いを知る(3/6 ページ)
全米展開する病院検索レビューサイト「ZocDoc」で、日本人唯一のエンジニアとして活躍する奥西正人氏は、近い将来独立するという。どんなビジネスを始める予定なのか。ニューヨークでSix ApartのCEOを務める関信浩氏が聞いた。
人材不足が際立つ「DevOps」という職種
関: ソフトウェアエンジニアといってもいろいろ仕事はありますが、奥西さんは普段どんなことをされているんですか?
奥西: 私は、DevOps(読み方はデボップス。ソフトウェア開発手法の1つで、開発〈Development〉と運用〈Operations〉を組み合わせた造語。開発担当者と運用担当者が連携し、協力関係のもと開発する手法を指す)という形で、エンジニアをしています。DevOpsは最近日本でも増えてきていますが、ソフトウェアエンジニアリングの中でも比較的新しいカテゴリです。
ITとソフトウェア、開発、運用オペレーションの間を埋めるような役割を担っています。社会人になってから経験してきた自分のバックグラウンドを生かしながら、開発の仕事も同時にできる。そういう意味では、自分には一番合っている職種だと思います。
関: 日本でも米国でもDevOpsに対するニーズは年々増えてきているものの、対応できるエンジニアが少ないという課題がありますよね。
奥西: おっしゃるとおりです。
関: Six Apartのサンフランシスコオフィスでも、DevOpsの人員不足で困った経験があります。DevOps対応できる人を採用したくても、個々の給料がすごい勢いで上がっていて一筋縄ではいかないですからね。最後は自分たちで人を育てなきゃねという感じになりました。
奥西: それは今でもそうですね。実際、DevOpsはどこでも人材が足りない上に、すごくニッチな分野ですからね。私たちも採用で苦労しています。小さい会社だとDevOpsは開発者が片手間でやっていることもありますが、ZocDocくらいのサイズの会社になると、DevOpsは専任者を付けないと回らないですね。
関: じゃあ奥西さんは、2年半くらい今の会社で、DevOpsとしてやっているということですね。
奥西: はい。最初の日系企業に勤めていた時は、お客さん回りが多かったのですが、今はほとんど、オフィスの中で仕事しています。最初に勤めていた日系の会社ではフィールドエンジニア的な側面がありましたが、それもある程度シニアなマネジメントになったあたりからは、ほとんどオフィスで作業していました。
関: 日本だとマネージャークラスに昇格すると、現場に戻らない人も結構多いですが、奥西さんは別の分野でひと通りの経験をされてからスタートアップに興味を持ったり、ソフトウェアエンジニアに興味を持たれたり、また、マネージャーを経験されてから現場に戻ったりと、柔軟に自身の方向性を変えているような印象を受けます。再び現場に戻ってきた理由は、もう一度そこでがんばってみたいという思いがあったからですか?
奥西: そうですね。一口に現場と言っても、作業や業務内容によってもやることって全く違いますし、新しく興味を持って勉強ができる領域だと、手をつけてみたいという欲が出てきますね。
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