病院検索サイト「ZocDoc」のエンジニアは、どんなビジネスを考えているのか:日米のビジネス事情の違いを知る(4/6 ページ)
全米展開する病院検索レビューサイト「ZocDoc」で、日本人唯一のエンジニアとして活躍する奥西正人氏は、近い将来独立するという。どんなビジネスを始める予定なのか。ニューヨークでSix ApartのCEOを務める関信浩氏が聞いた。
自分が生まれ育った日本のために貢献できるビジネスで起業したい
関: ところで奥西さんは、起業を考えていらっしゃるんですよね。今起業するんだったら、エンジニアがいない起業は考えられないところまで来ていると思うので、自分でコードを書けるのは、めちゃくちゃ有利じゃないですか。そういう意味では、奥西さんはエンジニアリングでビジネスを始めるのかなと思っていたのですが、先日話を聞いたら、なんと全く違う新しい仕事に興味を持っていらっしゃるということで、ビックリしました。普通に考えると、そのキャリアだったらスタートアップを始めるにしても、独自にWebサービスを作るのかなと思うのですが……。
奥西: 確かにエンジニアリングは大好きですし、最終的には新しいビジネスでもエンジニアリングの知識を生かすことになると思いますが、今はエンジニアとしての自分以上に、「何かを手がけてみたい」という気持ちが強いですね。それで、2014年の終わりごろから自然と気持ちが、今考えているビジネスアイデアにつながっていきました。
で、何をやるかというところなのですが、起業によって、ただ私だけ成功すればよいと考えているわけではありません。自分が生まれ育った日本のために、何でもよいので貢献できるようなことで仕事ができれば一番だなと考え、米国と日本の架け橋になるようなビジネスを始めたいと考えています。
関: その思いからまずは、日本人や日系企業と米国人や米国のスタートアップをつなぐミートアップを始められたと。
奥西: はい。ビジネスを始めようという気持ちがなければ、特に思いつかなかったアイデアなので。長年米国にいる自分が、今日本のためにできることは何かなと思った時に、大好きなミートアップでまず小さくステップを踏んで、そこでの経験が、また次のステップにつながるかもしれないなと。それが、「Japan NYC Startups」というミートアップの立ち上げにつながりました。
関: 今お考えのビジネスプランについて、もう少し具体的にお話いただけますか?
奥西: これから始めようと思っているのは、日本に世界の才能が集まるプラットフォームを作ることです。リクルーティング(採用)とは少し違います。日本から世界へ出ていくトレンドが増えてきているように、米国から日本に行きたいと思っている人も多くいるはず。
しかし現状ですと、英語教育とか、そういうジャンルでしか参加しにくいという背景があるので、それをソフトウェアやテクノロジー分野に広げていくことが目標です。まずは米国人のエンジニアやデザイナーが、日本で仕事ができる環境を作りたいですね。これからはどの国、どの場所にいっても、テクノロジーを生かした仕事は欠かせなくなると思いますので。
関: それはニューヨークからとは限らず、米国全土からですか?
奥西: そうです。
関: ターゲットはご自身に近い、エンジニアやWebデザイナーなんですね。
奥西: 全く分からないところではなく、自分が実際手がけたところだったら、申し込んでくれた方の気持ちも分かりますからね。
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