病院検索サイト「ZocDoc」のエンジニアは、どんなビジネスを考えているのか:日米のビジネス事情の違いを知る(5/6 ページ)
全米展開する病院検索レビューサイト「ZocDoc」で、日本人唯一のエンジニアとして活躍する奥西正人氏は、近い将来独立するという。どんなビジネスを始める予定なのか。ニューヨークでSix ApartのCEOを務める関信浩氏が聞いた。
日本企業が抱えるネガティブ文化を変える試金石になるか
関: 先日、若い米国人をある一定期間、日本で開催されるプログラムに参加してもらうというアイデアをお話されていました。その構想は今でも変わりませんか?
奥西: はい。
関: となると、日本側として今後対応していかなきゃいけないのは、どんな機関や会社なら、そういう外国人を受け入れられるのかという問題ですよね。それから、このプログラムを定期的に回していくことを考えると、日本側にも当然担当者を置いて、そういう人たちとうまくやり取りすることで、米国にいるエンジニアやデザイナーを日本にどんどん送り込む必要も出てきます。プログラム参加者が期間終了後に、日本に残るのか米国に帰ってくるのかは別にしても、やっぱり定期的に交流を図れるようなプラットフォームがあるとよいなあとは思いますね。一方で少し気になるのが、奥西さんは日本を離れて20年近いですよね。
奥西: そうですね。
関: 日本側がどんな米国人エンジニアやデザイナーを求めているのか、それから日本側が外国人労働者に対してどういう見方を持っているのかという情報を、正しく得ることが1つポイントになりそうですね。
奥西: そのあたりは、実際に運営していく中で答えを見つけていくことになると思います。
関: 今、奥西さんが考えている“外国人を日本に連れて行くプログラム”というのは、「日本が海外からどう見られているのか」という視点がどうしても必要になってきますよね。米国在住歴の長い奥西さんから見て、日本の国とか企業とか、「ここをもっとこうしたらいいんじゃないの」とか、「だから米国からエンジニアに来てもらったらいいんじゃないの」という仮説があれば、教えていただきたいんです。どんなところに改善の余地があると見て、今回のプログラムを考えられているのかな、というのに興味がありまして。
奥西: 何人の外国人が入るかにもよりますが、海外から人が入ることによって、社内のカルチャーが変わってきますよね。社内のよいところはそのまま残しつつも、外からの影響を受け、よくないところ、例えば上司とのコミュニケーションとか、社員同士のコミュニケーションとか、そういう部分で改善できることが、きっと出てくるはずです。外から人が入ってきたからこそ変われることですね。
関連記事
- 日本人がビザ取得でハマる、大学の専攻と現在の職種の違い
米国でビジネスに力を入れている日本の起業家は、何を考え、どう動いているのか。米Six ApartのCEO 兼 米Infocom Americaの取締役を務める関信浩氏と機楽株式会社代表取締役兼ロボットデザイナーの石渡昌太氏が語り合った。 - アップルやマクドナルドは、本当に“悪の帝国”なのか?
弱体化する国家を尻目に、国境を気にせず自らの利益を追い求める“企業帝国”たち。世界が一握りのお金持ちと圧倒的多数の単純労働者に分かれていくなかで、人々が幸せになる方法はあるのか。小飼弾さんと松井博さんが語り合った。 - 生産台数9000万台超! ホンダのスーパーカブがスゴい
世界中で販売されているスーパーカブ(ホンダ)の累計生産台数が9000万台を超え、あと数年で1億台を突破しそうだ。50年以上前に発売されたスーパーカブは、なぜ今でも売れ続けているのだろうか。ホンダの広報部に聞いた。 - 値段は競合の2倍――それでもカシオの電卓がインドで売れる、2つの理由
1980年代からインドで電卓を販売していたが、値段が高いため知名度の割に売れていなかったカシオ。しかし2010年発売の新商品が大ヒット、以来インドでの売れ行きはずっと好調だという。高くても売れる、その秘密とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.