一流メジャーリーガーをも虜にするブルージェィズ・川崎のスゴさ:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
あの男の人気は相変わらず健在のようだ。トロント・ブルージェイズの川崎宗則内野手のことである。川崎といえば“明るい”イメージがあるが、選手たちはどのように感じているのだろうか。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
チーム内外でカワサキ人気は相変わらず健在のようだ。トロント・ブルージェイズの川崎宗則内野手が6月19日に今季3度目のメジャー昇格を果たし、インパクトを残している。
といってもレギュラー定着を果たしているわけではなく、あくまでもチームメートのR・A・ディッキー投手が実父の死去に伴って「忌引きリスト」に入ったことによる代役での昇格。ベンチで控え要員の日々が続きながらも、そのポジティブな考え方と明るい性格によってチームメートや地元ファンから愛され、人気者になっている。
「2チームに所属している感じがする。昨日は(マイナー傘下チーム)3Aのバッファロー・バイソンズ、今日はブルージェイズという感じ。何試合か分からないけど、亡くなったディッキーのお父さんのためにも、絶対に活躍したいと思って来た」
これは川崎が日本メディアに対し、現在の心境について語った言葉である。メジャーとマイナーを行き来する自らのポジションを嘆くことなく「2チームに所属」という表現で冷静にとらえ、加えて天国へと旅立ったチームメートの父のためにも全力でプレーすることを誓った。これだけ前向きになれる人は、なかなかいない。
関連記事
- 新天地でも“転校生”ではない、イチローのハイレベルな「EQ」
メジャー15年目のシーズンを迎えたイチロー選手は、今季から新チームに合流。新天地なので苦労するのでは? と思いきや、チームメートと楽しそうに会話をしている。“転校生”のような立場なのに、なぜすぐにチームに溶け込むことができたのか。 - “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - “給料泥棒”が続く、松坂大輔に残された引退までのタイムリミット
日本球界に復帰した、元メジャーリーガーの松坂大輔投手が苦しんでいる。開幕して2カ月以上が経過したが、公式戦一軍マウンドにはいまだ立てていない。周囲からはそろそろ“結論”を出すころではないか、といった声も聞こえてくる。 - なぜ田中将大はメジャーでも通用しているのか
野村監督から「マー君 神の子 不思議な子」と言われた、田中将大投手が大リーグでも活躍している。昨季は途中で戦列を離れたが、ここまでしっかり結果を残している。その理由について、地元メディアは……。 - 藤川球児が独立リーグ入りを選んだ「真の狙い」
テキサス・レンジャーズからフリーエージェントになっていた藤川球児投手が独立リーグの高知ファイティングドッグスに入団することが決まった。多くの人はこのニュースを聞いたとき驚いたと思うが、彼はなぜ“陽の当たらない場所”を選んだのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.