一流メジャーリーガーをも虜にするブルージェィズ・川崎のスゴさ:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
あの男の人気は相変わらず健在のようだ。トロント・ブルージェイズの川崎宗則内野手のことである。川崎といえば“明るい”イメージがあるが、選手たちはどのように感じているのだろうか。
“カワサキ・マニア”広がる
以前、3A降格を言い渡された時、川崎は「明日も試合ができるんですから、こんな幸せなことはないですよ。一体、何を落ち込む理由があるんですか? マイナーでも全力でプレーします。それはどこへ行っても変わることはありません」と目を輝かせながら力強い言葉を発していた。
落ち込んでいいことは何もない。常に前向きに物事を解釈し、ただひたすら全力でまい進する――。それが自分に言い聞かせ続けている川崎のモットーである。「つまり英語で言えば『ドゥ・ザ・ベスト!』。『全力を尽くせ』ってことですよ」とは川崎本人の弁だ。
ムードメーカーとしての貢献度も大きい。チームメートが本塁打を放つなど活躍すれば、祝福の意味を込めてベンチで“奇抜なダンス”を披露し、周囲を笑いの渦へと巻き込む。ちなみにこの“奇抜なダンス”については練習中に取り組んでいる姿をMLB公式Twitterの投稿者によって撮影され、その動画が先日アップされて米国のファンの間でも大きな反響を呼んでいた。「何てすてきなヤツなんだ」「カワサキ、最高!」などなど――。ユーザーの反応は大半が好意的なものだった。
チーム主砲のホセ・バティスタ外野手も、まるでブルージェイズのファンのようにすっかり“カワサキ・マニア”になっていた。当コラムでも執筆させていただいたが、バティスタには川崎がブルージェイズに移籍して1年目だった2013年の5月にも実は一度話を聞いていて、当時は次のように答えていた(関連記事)。
「いきなり日本語で話しかけてきた時には驚いたけど、今はもう慣れたよ(笑)。ムネ(川崎)は英語やスペイン語がうまくしゃべれなくてもボディランゲージを交え、一生懸命に話すから何を伝えようとしているかが大体分かる。とてもユニークで、みんなを笑わせるムードメーカーでもあるし、最高のチームメートさ。メジャーリーガーの中にはヘンなプライドが邪魔をして周りに溶け込もうとしないヤツがいるけれど、彼はそうじゃない。ああいう姿勢はわれわれも見習う必要性がある」
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