一流メジャーリーガーをも虜にするブルージェィズ・川崎のスゴさ:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
あの男の人気は相変わらず健在のようだ。トロント・ブルージェイズの川崎宗則内野手のことである。川崎といえば“明るい”イメージがあるが、選手たちはどのように感じているのだろうか。
便利屋として“上”と“下”
あれから2年。あらためてバティスタに聞いてみると「いやムネは全く変わってない」との返答が即座に返ってきた。しかし、これは最高の誉め言葉でもあった。
「変わっていないから彼はいいんだ。そして誰からも愛され、慕われているんだ。いいかい? 彼はここブルージェイズで3年間もプレーし続けているんだよ。マイナーとメジャーを往復する生活をずっと続けているが、これは想像以上にタフネスな精神力が必要になることだ。
それでも彼はいつも自分を見失わないし、その時のベストを尽くすことに集中力を高めている。だからムネはブルージェイズに必要とされ、受け入れられるんだ。調子が良くても悪くても、そして自分の周りの状況に変化が生じても、すべてをプラスに考えることができる。それがムネなのだ。彼を心から尊敬している。私の彼に対する気持ちも2年間、何も変わっていないよ」
チームの主砲から、ここまで激賞される川崎の存在はブルージェイズ内でも相当に大きい。しかしながら、故障以外でマイナーに落とせない契約を結んでいる自軍所属の超大物と違って、川崎の場合はベースとなっているのがマイナー契約のため、どうしても自身の好不調にかかわらずチームの都合が最優先される便利屋として“上”と“下”を行き来させられてしまうのである。
ただ、そういう立場であることも川崎は十分に理解した上で日々献身的にプレーし、いかなる出来事に直面してもプラス思考でとらえることができるのだ。単に面白いキャラクターだからではない。彼が多くの人から尊敬の念を集める理由はそこにある。
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