「Tayori」で企業にコンタクトしやすい世の中をつくりたい――PR TIMES 山口社長:スマホ時代のカスタマーコミュニケーションとは?(3/5 ページ)
「ネット=スマホ」の世の中で、企業とお客さまをよりよくつなぐには? そんなコンセプトのサービス「Tayori」を、PR TIMESがスタートした。リリース配信会社である同社がコミュニケーションサービスを提供する狙いとは……?
ネットによるリリース配信は、ローカルビジネスと相性がいい
――PR TIMESは、プレスリリース配信会社ですよね。企業の発信するプレスリリースを集めて配信し、メディアなどに紹介するのが本業です。そのPR TIMESがなぜ、Tayoriというカスタマーコミュニケーションを出すことになったのですか?
山口: 企業のプレスリリースをメディアに配信する、もちろんそれも一面なのですが、単純に「プレスリリースサービスです」と言い切るつもりはないんです。
――どういうことでしょう?
山口: 企業とメディアだけでなく、企業と生活者の間をニュースをつかってつないでいる、という意識があるのです。「メディアにプレスリリースを配信しています」というだけでは価値がないかなと。
いまや、ホームページを持っている会社は20万社以上あると言われています。そのすべてがメディアとつながっているわけではありませんよね。じゃあ、企業と生活者が(ネットで)直接つながる方法はないのか? というと、それは昔はノーだったと思うんです。でも今のPR TIMESならそれができる。
――企業が発信したい情報を、メディアを介さずに、ユーザーにそのまま届けるということですよね。どういうイメージでしょうか?
山口: いろいろあると思いますが、例えばローカルビジネスへの有効な手だての一つになり得るのではないかと。例えば、赤坂でレストランがオープンしたとしますよね。これからお客になってくれる人たちに、お店がオープンしたことを知らせたい。これまでなら、近所を通る人にビラを配るとか、看板を立てるとかしていたと思うんです。そういうソリューションしかなかったから。
――テレビに出られたりすればいいでしょうけど、なかなか難しいですよね。
山口: そのレストランが例えば『王様のブランチ』に出たとしましょう。日本中のたくさんの人が見てくれます。お店の人はうれしいけど、じゃあ、見てくれた大勢の人がわざわざ赤坂のレストランまで来てくれるかといったら、来ないですよね。すごくたくさんの人に知られる割には、効率が悪い。ローカルビジネスって、そういう面があります。
多くの人たちの関心は、トップニュースとローカルニュースに二極化しています。トップニュースはマスコミが担うとして、ローカルニュースのニーズは、ネットを使ってニュースリリースを伝えるサービスが担えるんじゃないかと思うんです。
――とはいえ、街のレストランはなかなか、プレスリリースを出そうというマインドにならないですよね。確かにPR TIMESを見ていても、レストランのリリースが少しずつ出てきている感じはありますが……。
山口: そうですね。これまで「プレスリリースを出すなんて関係ない」と思っていたローカルビジネスをやっているお店や人に、今後はもっと使ってほしいですね。「リリースを出すことで、生活者にニュースとして伝わるんだ」と感じてもらえるサービスにしていきたいです。
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