私たちにとってなじみ深い飲み物に死亡リスクを下げる効果があった!?(1/2 ページ)
緑茶と日本人の主な死亡要因であるがんなどの関係はよく分かっていませんでした。国立がん研究センターの研究グループが、緑茶の摂取量と全死亡および死亡要因との関連を調べたところ……。
緑茶には、カテキンなど健康に良いといわれている成分が含まれていることが知られていて、以前に肥満予防の効果があることをお伝えしたことがあります(参照リンク)。
これまで、緑茶と日本人の主な死亡要因であるがん、心臓病、脳卒中などの脳血管疾患、肺炎との関係はあまりよく分かっていませんでした。
国立がん研究センターの研究グループは、がんや心筋梗塞や動脈硬化などの病気になっていない40〜69歳の男女約9万人を対象にして、緑茶の摂取量と全死亡および死亡要因との関連を調べました。
具体的には、緑茶を飲む量を1日1杯未満、毎日1〜2杯、3〜4杯、5杯以上飲むという4つのグループに分けて、グループ毎に調査期間中に死亡した人数とがん、心臓病、脳血管疾患、呼吸器疾患(肺炎など)による死亡リスクについて、18年〜21年にわたる追跡調査を行いました。
緑茶を飲むほど死亡リスクが下がった
その結果、緑茶を1日1杯未満飲むグループを基準として比較した場合、死亡リスクは、男女共に緑茶を飲む量が多いグループほど死亡リスクが低下する傾向がみられました。
次に死因別に調べてみると、男性の場合、1日3杯以上緑茶を飲んでいる人は、ふだん緑茶を飲まない人に比べ、脳血管疾患や呼吸器疾患による死亡のリスクが低くなることが分かりました。
女性の場合では、1日3杯以上緑茶を飲んでいる人は、心臓病による死亡のリスクが低くなっていました。一方、がんによる死亡リスクについては、男女ともに緑茶を飲む量との関連はなかったそうです。
関連記事
- 最も不健康なのは運動不足や喫煙ではなく……「1人ぼっち」!?
健康的に長生きする方法、それは禁煙だったり、食生活だったり、運動だったり、たくさんあります。でも、もっと大切な健康法があるって知っていましたか? - 蚊に刺されやすいかどうかは、生まれつき決まっているらしい
気温が上がってくると、やってくるのが虫、特に気になるのは「蚊」。みんなの中で刺されやすくていつも1人だけターゲットになっている人いませんか。刺されやすい人は生まれつき決まっているのかも……。 - 日本人だけが「のり」を消化できるってホント?
腸内細菌は食べ物を消化しビタミンを作るだけでなく、免疫力もアップする働きがあると言われています。中でも、のりなどの海藻類を消化する酵素をもつ腸内細菌が日本人にのみ発見されたと、遺伝子の研究から明らかになりました。 - 「たばこ病」ってなに? 喫煙者に言ってはいけない5つのこと
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を知っていますか? 主に喫煙が原因で、肺や気管支が炎症を起こしてしまう、いわゆる「たばこ病」。COPDにならないために最も効果的なのは「禁煙」だが、喫煙者に言ってはいけないことがあります。それは……。
関連リンク
Copyright© DeNA Life Science, Inc. All Rights Reserved.