カレー専門店の壱番屋、過去最高益を更新 営業益6.5%増 15年5月期
「カレーハウス CoCo壱番屋」を展開する壱番屋の2015年5月期決算は増収増益となった。アイドルグループを起用した販促キャンペーンなどが奏功した。
カレー専門店「カレーハウス CoCo壱番屋」などを運営する壱番屋が7月6日に発表した2015年5月期通期の連結決算は、営業利益が前期比6.5%増の45億9600万円となるなど、過去最高益を更新した。「手仕込ささみカツカレー」といった定番メニューの販売が伸びたほか、アイドルグループ「SKE48」やアニメ「ドラゴンボールZ」などとのコラボレーションキャンペーンで新規顧客を開拓した。
売上高は3.4%増の440億1400万円。既存店ベースの店舗売上高(国内)は4.5%増、客数は2.9%増、客単価は1.6%増と堅調だった。テレビ番組で紹介されたことで客数が増えたことや、今年3月に一部のトッピング品を値上げしたことなどで客単価も前年を上回った。
経常利益も47億1700万円(5.9%増)に拡大、店舗売却益の計上で純利益は27億2600万円(14.2%増)と、それぞれ過去最高益を更新した。
主力の国内CoCo壱番屋では10年前から店舗リニューアルを進めており、全1220店舗(2015年5月末時点)中、1208店舗で改装を終了。モバイル機器の充電ができるコンセントの設置やコミックを置くなどして、ニーズに合わせた店作りを強化。ドライブスルー(店舗全体の19.4%)やテイクアウト専用窓口の設置(同10.5%)など、サービスの拡充にも取り組む。
海外のCoCo壱番屋は、今年2月にマレーシア、3月にフィリピンに初進出し、5月末時点で143店舗に拡大した。
今期は直営店のフランチャイズ店への譲渡が進むことからグループ全体の売上高は前期比0.3%減の439億円と減収を見込み、店舗改装関連利益の減少や食材価格の高騰などで営業利益は3.4%減の44億4000万円、経常利益は2.3%減の46億1000万円と減益を予想。減損の減少や実効税率の低下を想定し、純利益は3.1%増の28億1000万円を見込む。
一方で、今期は既存店の売り上げ強化を最重要課題に掲げており、店舗ごとにオリジナルメニューや販促手法を自ら考えて実施する「ストアレベルマーケティング」の推進や、QSC(Quality、Service、Cleanliness)の向上などを図ることで、既存店売上高は2.0%増を目指す。
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