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ワールドカップ準優勝から考える「今後のなでしこ」:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
サッカー・ワールドカップで、なでしこジャパンが準優勝を手にした。史上2チーム目となる連覇こそ逃したが、「よくやった」という声が多い。しかし、本当にこのままでいいのか。スポーツライターの臼北氏は、女子サッカーにまつわる問題点を指摘している。
国レベルでのサポート体制
今W杯で大ブレークした前出の有吉は日テレベレーザのアマチュア契約選手で年俸は0円。そのため横浜市内のフットサル場で受付係のアルバイトをしなければ、日々の生活も困窮してしまうほどだった。ただ今回の活躍によって日テレベレーザ側がプロ契約を結ぶことを検討し始め、さらには海外クラブからもオファーが舞い込みそうな気配もある。ただ海外クラブだからと言って、必ずしも年俸が跳ね上がるわけでもない。
「ドイツのバイエルンミュンヘンなどの有名クラブで高年俸の契約を結べたとしても、だいたい日本円で1000万円弱になればいいほう。今は円安なので多少は以前よりもいいかもしれませんが……」(事情通)
日本にこれだけ大きな活力を与えてくれたのだから「なでしこジャパン」のメンバーは、もっともっと評価されなければいけない。“国際大会だけワーワー騒いで、ハイ、おしまい”では今後も同じことの繰り返しだ。宮間の言うように「なでしこ」が「ブームではなく文化」になるためにも日本の国レベルでのサポート体制があってもいいと思う。
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