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大井川鐵道で「ジェームス」の活躍が少ない理由:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/4 ページ)
大井川鐵道の「きかんしゃトーマス」運行が2年目を迎えた。今年は新たに赤い機関車「ジェームス」もやってきて、トーマスの仲間たちは5台になった。しかしこの新参者の運行日は少ない。原作の世界観を大切にすれば、その答えは自明だった。
ソドー島が大変だ!
しかし、前述のように、私たちはきかんしゃトーマスの世界が大好きで、その世界観は大切にしなくてはいけない。大井川鐵道も、日本できかんしゃトーマスを展開するソニー・クリエイティブプロダクツも。すべてはトーマスを愛するファンのために。
そこから導かれる結論は、とても合理的で分かりやすい。
今、大井川鐵道には、ラスティも含めて5台の機関車がソドー島から訪れている。ヒロは日本に帰国していたけれど、シーズン13からソドー島に戻っている。ということは、現在ソドー島では稼働する機関車が5台も足りない。これは大問題だ。
トップハム・ハット郷はこう考えているはずだ。「ヒロは日本に里帰りしたいだろうし、トーマスはヒロに会う約束をしていた。パーシーはトーマスと仲良しだから、一緒に日本で過ごしたいんだろう。ラスティは保線要員だからいいとして……ジェームス、キミは日本に長く滞在する必要があるのかね? 週末はソドー島に戻りなさい。そして早く帰ってきなさい」
これがジェームスの運行日が少ない理由だ……と思うけど、どうかな。
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