写真で見る“ソニー・エリクソン”端末「C1002S」(2/2)

【国内記事】 2001年12月22日更新

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ソフトウェアの変更はわずか

 ソニーのcdmaOne端末のソフトウェアは,早くからよく練られたインタフェースを持っており,実は「C404S」の頃から大きな変更はされていない。大きな変更といえばC406Sから予測変換機能「POBox」(6月7日の記事参照)が搭載されたくらいだ。

 C406Sユーザーから見ると,相当使い勝手が上がっているのは確かだが,C413Sと比べると大きな変更はない。

 問題点も解決されていない。相変わらず,着信音量はメールと電話で個別に設定できないし,目覚まし時計の設定も単純な「毎日の繰り返し」ができるだけだ。メールソフトもフォルダ分けもできなければ,検索もできない。


着信ランプの設定は以前からあったが,C1002Sではランプが大きくなって,より有用性が増した。この着信ランプ,電話着信やメール着信の時だけでなく,不在着信があったり,未読のメールがあると,一定間隔で光って知らせてくれる。これは非常に便利で,ぜひほかの端末でも搭載してほしい機能だ。ただし「24色に設定可能」なのをウリにしているが,はっきりいって24色を見分けることはできない。せいぜい7色に使い分けられる程度だ


数少ない改良点の1つ,メール作成画面。従来は利用頻度の少ないCcやBccなどがいきなり表示されていたが,C1002SではCcやBccを使う際には「機能」から追加していく形になった。右はC413Sのメール作成画面


これはC1002Sの中では大きな改善点。メールの着信メロディの鳴動時間が設定できるようになった。しかしメール着信メロディの音量は設定できない


これまた凝ったデザインの充電台。C413Sと異なり電池パック単体の充電はできない。電池容量は600mAh。カバーと分かれた電池パックとなっており,C413S用やC406S用など,従来の電池を利用することはできなそ うだ

 ちなみに,内蔵されている着信メロディは以下の通り。これまでクラシックなどが中心で,ポピュラーな楽曲が少なかったソニー端末だが,C1002Sには「ルパン3世」が内蔵されている。

  • 通常着信音1〜5
  • FIFA Anthem
  • ダッタン人の踊り
  • ルパン3世
  • ザエンターテイナー
  • オーラリー
  • AIBOメロディ
  • 猫(ADPCM)
  • 潜水艦(ADPCM)

やっぱりチグハグなKDDIの商品戦略

 デザインとジョグダイヤル,POBoxなどC1002Sは魅力的な端末だが,それだけにKDDIの商品戦略には疑問を持つ。この12月に次世代サービスを導入するに当たり,KDDIはラインアップを整理,以下の3つのシリーズで展開していくことを発表している。

機能 C100x C300x
(GPSケータイ)
C500x
(ムービーケータイ)
EZweb - -
EZweb@mail
GPSナビゲーション機能
(eznavigation)
-
Java(ezplus) -
WAP2.0 -
動画配信機能(ezmovie) - -

 これを見ると分かるように,C100xシリーズは機能的には従来の「C4xxシリーズ」と同等。いってみれば旧型機の名前を変更しただけ……というのがC100xシリーズだ。

 しかも機能面で差をつけたにも関わらず,価格では大きな差はついていない。ある店頭では以下の価格で販売されていた。

機種新規価格
C1002S1万2800円
C3001H(GPSケータイ)1万2800円
C3002K(GPSケータイ)1万4800円
C5001T(ムービーケータイ)1万9800円

 新サービスを大々的に立ち上げたにもかかわらず,やっぱり売れ筋になりそうなのは,従来と同等の機能を持ったC1002Sだ。あるKDDI関係者も「この冬はC1002Sが一番売れるでしょう」と漏らす。

 次世代サービスを本当に普及させようと思っているのならば,どうしてこのタイミングに人気のあるメーカーの“非”次世代サービス端末を投入するのか。理解に苦しむ。

 もう1つ納得いかないのは,関東・中部における販売戦略だ。通常,前の端末を長く使うと機種変更時に数万円の値引きを行うというマーケティングが行われている。

 前の端末をどれだけ長期間使うと値引かれるかはキャリアによって異なる。NTTドコモは通常は“10カ月以上”だが,“Java搭載”などのトピックを持った新機種を投入する際には,3カ月以上で割り引き価格で機種変更を可能にすることが多い。

 KDDIは,次世代サービス対応の「C3001H」「C5001T」については前の機種を6カ月以上使っていれば割引価格で機種変更できるが,「C3002K」については10カ月。GPSケータイやムービーケータイに興味を示しながらも,買い換えられず残念な思いをしているユーザーもいる。新規顧客の獲得に力を入れるのは分かるが,もう少し新サービスの普及に力を入れてもいいのではないだろうか。

お詫びと訂正:12月22日の記事で「次世代サービス対応機の値引きでも前機種10カ月以上の利用が必要」と記載しましたが,現在「C3001H」「C5001T」の場合,6カ月以上の利用で割引価格による機種変更が可能です。ご愛読の皆様,並びに関係者各位にご迷惑をおかけしたことをお詫びし,訂正いたします。

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[斎藤健二,ITmedia]

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