Mobile:NEWS 2002年9月11日 02:25 AM 更新

携帯、7つのキーワード(2/3)


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携帯“PC化”のきっかけとなるか?──メモリカード

 パケット通信が中心だった携帯と外部とのデータのやり取り。「メモリカード」は、それを大きく変える可能性がある。ケイ・ラボラトリーの真田哲弥社長は「カメラの搭載によって不足するデータ保存容量を補うために、メモリカードの搭載が進む」と見るが(8月30日の記事参照)、実際、ハイエンド端末を中心にメモリカード搭載機が増えている。仕様面では、SDカードとメモリースティックDuoの2つが携帯内蔵のメモリカードの2大候補だ。

 このメモリカード内蔵がもたらすのは、携帯電話の“PC化”だ。既にカメラで撮った画像をメモリカードに入れ、プリンタで印刷するサービスも実用化されており、今後さらに“通信を使わない”サービスが増えることが予想される。

 いまのところ、キャリアはメモリカードに各種データを入れることに積極的ではない。ドコモのメモリースティックDuo対応の「D251i」のように、撮影した画像の保存が中心だ(7月16日の記事参照)。しかし、今後はメモリカードに書き込んだデータを携帯電話で利用するといった使い方も可能になっていく。携帯が“通信機能も持ったPDA”として利用できる日が近づいているのである。

ブロードバンドの正統コンテンツ──動画

 未来の携帯電話──といえば、当然テレビ電話。つい最近まではそう考えられていた。しかし、いざFOMAでサービスが始まってみると、「テレビ電話にはニーズがあまりない」といった意見さえ聞かれる始末だ。

 そんな中で、早くも“テレビ電話の後継コンテンツ”という評判なのが「動画メール」だ。J-フォンのムービー写メール(3月4日の記事参照)に続いて、9月末にはKDDIが「ムービーメール」という名称で対応端末「A5301T」を投入(8月26日の記事参照)。ドコモも年末には「N2051」「F2051」という動画メール対応FOMAを投入してくる。

 とはいえ、その普及はなかなか苦しそうだ。コミュニケーション手段として考えた場合、対応機種の数が普及の最大のポイントとなるからだ。ところが、静止画と異なり、動画再生機能の搭載はまだまだハードルが高い。現状、動画再生にはMPEG-4再生チップか、アプリケーションプロセッサが必要。ムービー写メールが利用しているNancyコーデックのような、低スペックCPUに適した動画圧縮方式を用いれば特別なハードウェアは必要ないが、さらに互換性が低くなる。

 動画関連の可能性の1つとして面白いのが、2004年に開始予定のデジタル地上波放送の受像機としての利用だ。ただ、これには技術的な課題が残されているほか、放送事業者と通信キャリアの受像器に対する考え方の違いもネックになりそうだ。


WIRELESS JAPAN 2002でドコモが展示した、デジタル地上波放送を表示できるデモ端末の画面。映像の下にリンクが表示されているが、この是非が放送事業者との争点の1つとなっているようだ

“写メール”以上に──カメラ

 今後半年、最も変化が激しいのが「内蔵カメラ」であることに、異論を差し挟む人は少ないだろう。「これからはカメラ内蔵は必須」と多くの端末メーカーが口をそろえ(8月29日の記事参照)、高画素化、フラッシュ内蔵、光学ズームなどデジタルカメラ並の機能を備えていくと予測している。携帯のディスプレイの小ささや、通信速度の遅さを挙げ、「カメラの高画素化は必要ない」という意見もあるが、メーカーは否定的。ある端末メーカーも、「画素競争が正のスパイラルに入ったら、気が付くと200万画素……ということもあるのではないか」と語る。

 ここで注意したいのは、“撮った写真をメールで送る”ということは必ずしも考慮されていないことだ。既にJ-フォンの「J-SH09」では、メール送信できないVGAサイズの静止画や動画を撮影し、PCへケーブル経由で送る手段が提供されている(9月10日の記事参照)。また、カメラを使ったバーコード読み取り機能やOCR機能が端末に搭載され始めていることも見逃せない動きだ(8月1日の記事参照)。

[斎藤健二, ITmedia]

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