Mobile:NEWS 2003年6月3日 08:19 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
シーンを選べば130万画素デジカメ級〜「A5401CA」(2/2)


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室内で撮る〜発色、画像のバランスに優れる

 続いて室内作例を見てみよう。近所の喫茶店で仕事をさぼってコーヒーを飲みながら撮った写真を2枚どうぞ。

EXILIM/A5401CA クリックで元画像

 EXILIMのほうがディテールがシャープで、A5401CAはややぼやけて見えるが、発色や雰囲気の描写はかなり近くなった。室内でこのくらいの距離だとなかなか頑張ってくれるのだ。

 ただシャッタースピードが遅い暗い場所になると、暗部に縞状のノイズが出る。ちょっと気になるところである。

 さらにもっと近距離の撮影をしてみる。蛍光灯下での撮影で、これはD505i(5月27日の記事参照)やJ-SH53(5月28日の記事参照)でも同じ条件の作例があるので比較してもらいたい。

EXILIM/A5401CA クリックで元画像

 だいたい50センチくらいの距離から撮っているのでEXILIMの撮影距離を超えており、EXILIMをいじめているような撮影で恐縮だが、まあこんな感じになる。こうなるとA5401CAがかなり頑張っているのが分かる。相変わらずディテールのシャープさはないが、発色といい画像としてのバランスといい、非常に優秀な出来だ。

 続いて白熱灯下で撮影してみる。(右の写真参照)

 手前の赤い瓶がだいたい2〜30センチの距離にくるよう撮影した。明らかに近すぎる被写体はボケているのがわかる。ほかのメガピクセルケータイに比べると発色もいいし階調もちゃんと出ているし不自然なエッジ強調もないが(その分、ディテールは甘いけれども)、近距離の撮影に弱いということだ。

 だが、マクロモードを持っているため、マクロモードで撮影するとかなり近寄ることができる。(右の写真参照)

 これがマクロモードで撮った缶詰。5〜10センチの距離が一番きれいに撮れるようだ。背景のボケ方もなかなかきれい。あまりエッジ強調をかけてないのがいいのかもしれないが、エッジがキリッとたったシャープな絵が好きな人には物足りないだろう。

 次は蝋燭の光。

ライトなし/ライト付き クリックで元画像

 部屋を暗くしてろうそくの光で撮影してみた。まずはろうそくのみ。続いて補助光を点灯させたもの。補助光は白色LEDを2つ搭載しているため、けっこう明るい。

 暗所での撮影も、ある程度以上暗くなると出てくる縞状のノイズが気になるものの、それ以外はちゃんと撮れていて色も出ている。

ムービーやパノラマ撮影機能は面白い

 フルオート撮影における画質について見てきたが、それ以外の設定は実はほとんど用意されてない。モノクロやセピアといった特殊効果を除けば、VGAより小さなサイズで撮るときのデジタルズーム機能と、露出補正(明るさ)があるだけだ。カメラとしてはすごくシンプルな作りになっている。画質設定も1種類で、圧縮率はかなり高くファイルサイズも小さくなっている。

 だが、ノーマル以外の撮影モードには面白いものが入っている。

 その代表はパノラマ撮影モードだ。VGAの上下をカットした640×176ピクセルというすごく細長い写真を撮るモードで、176ピクセルというのはA5401CAの液晶モニタの縦の長さと一緒である。

 これで撮った写真をパノラマモードで再生すると、横長画像の一部だけが画面に表示され、自動的に左右にスクロールして見せてくれるのだ。パノラマ気分が味わえるというわけである。これは面白い。

 ムービーはSサイズとMサイズに対応。フォーマットはauの標準であるamcである。長さは5/10/15秒から選べる。

シーンを選べば130万画素デジカメ級

 以上がA5401CAのカメラ機能の概要であるが、メガピクセルケータイとしては非常に小さく、比較的軽快に動作するのはうれしいところ。

 画質的には、「いい条件下で撮れば」十分メガピクセルデジカメを名乗れるクオリティを持ったカメラ付ケータイだ。ヘンにシャープネスの処理をかけてないためディテールが、良い言い方をすれば柔らかい、悪い言い方をすればボケているが、それ以外はコントラストが高い構図でない限りなかなかがんばっている。

 でも遠景には弱い。得手不得手がすごくはっきりしているのだ。

 画質的にもシャープさや遠景の苦手さ、屋外での階調表現やホワイトバランスに欠点はあるものの、基本性能はかなり高く、マクロ撮影時や屋内での近距離での撮影には130万画素デジカメに迫るクオリティを発揮している。これはなかなかすごい。得手不得手の差が大きいのでそれを理解して使いたい。例えば近距離(手を伸ばせば届きそうな距離)での撮影……自分撮りや身の回りの小物、花、ペットのアップ、料理など……専用に使うならいムチャクチャイケる。

 あとはSDカードスロットのような外部記録メディアスロットを用意し、もうちょっと圧縮率を下げた画質ファインモードを付けてくれれば、とても素晴らしい製品になるだろう。

 A5401CAが他社のメガピクセルケータイと決定的に違うのは、外部記録メディアを持っていないこと。メガピクセル画像を撮ることができるのだが、それを記録できるのが内蔵メモリのみなのだ。その代わり、内蔵メモリは16Mバイトある。多くはないが実用的な値だ。

 メガピクセル画像を撮ったらPCに吸い上げたいところだが、一番簡単な方法は、A5401CAに合わせてアイ・オー・データ機器から出た「auカメラ付携帯電話対応メモリバックアップアダプタ Snap Memory」(5月14日の記事参照)。auの携帯電話につないで使うCFカードリーダーで、16MバイトのCFカードが付いてくる。これを使って内蔵メモリの各種データをCFカードに吸い上げられる。ただし、(A5401CAからシリアル転送速度が230Kbpsに高速化されたが、それでも)転送にはかなり時間がかかるので覚悟しておきたい。

 あとはそのCFカードから必要なデータをPCに移せばいい。やや面倒ではあるが、おかげでメガピクセルケータイでありながら重量が約106グラムと非常に小型軽量に納まっており、auのカメラ付き5xxxシリーズでは最軽量だ。

アイ・オー・データ機器製の「Snap Memory」。auのカメラ付き端末など22機種に対応。接続すれば自動的にファイル転送のメニューが携帯側で立ち上がり、簡単に操作できる。価格はオープンプライスだが、実売予想価格は8000円前後



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[荻窪圭, ITmedia]

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