期待通り? 期待ハズレ? JMネットのPDAフォン「WIRELESS JAPAN 2003」会場で、ジャパンメディアネットワークはモバイルIP電話サービスのデモを行っていた。同社は早くから、同種のサービスの提供を表明していたが、初めて公式な場で大々的なデモを行った。
本日開幕した「WIRELESS JAPAN 2003」会場で、ジャパンメディアネットワークはモバイルIP電話サービスのデモを行っていた。PDAを利用してVoIP通話を行うもので、8月25日に商用サービスを開始する見込みだという。 同社は早くから、モバイルIP電話サービスの提供を表明していたが(記事末尾参照)、なかなか詳細を明らかにしてこなかった。しかし今回、公式な場でデモを行い、商用化をうたうまでにこぎつけた。 通話には、Pocket PCベースのPDAに独自のIP電話ソフトウェアを搭載した端末「mobcom」を利用する。IEEE 802.11b準拠の無線LANと、PHSで通信を行う仕様で、通信方式はエリアに応じて切り替えるという。
モバイルIP電話に利用する端末「mobcom」。メルコの無線LANカードと、NTTドコモのPHSをバンドルする案が有力だが、詳細は未定という 端末の価格は、無線カード込みで3万9800円。ほかに、月額料金4000円が必要となる。この月額料金には、PHSの使い放題料金も含まれる。なお、24時間分の無料通話がセットになったコース、「バリュープラン」も月額8800円にて提供されるという。 通話料は、mobcom同士なら無料。携帯電話、および固定電話にかける場合は、時間帯、エリアに関わらず24円/3分となっている。 IP電話の「050番号」は利用せず、相手先の電話番号の頭に「99」をつけた数字列で電話をかける。端末はほかに、Webブラウズやメール送信といった機能も備えている。
こうしたPDAを利用するVoIPサービスは、多くの事業者が試験サービスを行っている(本文最後の“関連記事”参照)。技術的には、さほど目新しいものではない。 しかし、注目したいのが通話料。特に、mobcomから携帯電話にかけた場合が「24円/3分」というのは、破格の設定だ。たとえば、Yahoo!BBから携帯電話にかけた場合の料金が20円/1分(記事参照)。固定電話から携帯電話にかけた場合でも、60円/3分がおよその相場だ(記事参照)。携帯キャリアに支払う接続料があるため、これ以上は下げられないのが実態だろう。 それでは、mobcomの通話料は安いのか? だが、そう言い切ってしまうのは微妙だ。同サービスでは、固定電話にかけた場合も「24円/3分」と設定されている。一般に、IP電話から固定電話にかける際の料金は“10円/3分を切る価格”に収束しつつある。説明員は言及していないが、個人的な感想として、この部分の通話で利ざやを稼ぎたい考えではないだろうか。 ともあれ、モバイルIP電話サービスが本格的に商用展開されるとあれば、業界に与えるインパクトも大きい。携帯電話に慣れ親しんだユーザーに、どれほど受け入れられるのか、今後を注目したい。
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