au、1x WIN端末で3GPP動画対応〜FOMAと送受信可能に1x WIN端末から、au端末はFOMAやボーダフォンの3G端末と互換性のある動画フォーマットを採用する。動画ダウンロードサービス「EZムービー」にも、従来のAMCに代わり、ストリーミングに適したフォーマットを使う。
KDDIは、「CDMA 1x WIN」対応端末から対応する動画フォーマットを追加する。ドコモやボーダフォンが3G端末で利用している3GPP動画の利用を可能とし、他社との動画の送受信が可能となる。
今回発表された1x WIN対応端末は、マルチメディア関連の対応フォーマットが大幅に追加された。その一つが、3GPP準拠の動画フォーマットへの対応だ。 これまでauはAMCという、独自のフォーマットを採用していた。ベースとなっているのは3GPPと同じISOのMP4だが、独自の音声コーデックを使うため、他社の動画対応端末での再生はできなかった。
3GPフォーマットの追加により、au端末で撮影した動画をFOMAやボーダフォンのVodafone Global Standard(VGS)に送信して視聴したり、逆にau端末で受信して視聴することも可能となる。これまでフォーマットレベルで互換性がなかったため、同じキャリア間でないと動画の送受信は難しかったが、“3GPP”を標準として互換性が増してきた。 ただしFOMAはメールに添付された動画ファイルをサーバで削除する仕様になっており、現在のところ相互のやりとりは行えない。 12月上旬にはURLを送信する「フォトメール便」(2002年8月の記事参照)による送信も対応する予定だ。KDDIは相互交換に向けて各キャリアと交渉中と話しており、早期の対応が望まれる。 また従来のauムービー端末がサポートしているAMCファイルのサポートも止めるわけにはいかない。W11シリーズで動画を撮影する場合、FOMAやVGSに送信するのなら3GPPで、auムービー端末に送信するならAMCで撮影する必要があるという。 動画形式が追加されると共に、添付できるファイルサイズも150Kバイトまで拡大された。KDDIが参考としてあげた高品質モードのムービーメールは、以下のようなスペックとなる。
W11シリーズは、サイトから動画をダウンロードして視聴する「EZムービー」にも対応している。ダウンロード可能なサイズを、従来の240Kバイトから1.5Mバイトに拡張すると共に、ビットレートも従来の64Kbpsから最大128Kbpsまで拡大した。再生時間も従来の15〜30秒から3分程度まで長くなった。 スペックは大きく向上したが、利用するファイルフォーマットもAMCから変更された。KDDIによると、新しいフォーマットは3GPP2が定めた「3G2」。MP4ベースで、QCELPの代わりにAMRを、MP3の代わりにAACを使った「3GPとほとんど変わらない」(KDDI)ものだ。 ただし現在のところ「FOMAとコンテンツ面での互換性はない」(KDDI)。コンテンツプロバイダ向けのオーサリングツールとしてはKDDI研究所が作成したツールが配布されており、一般向けには「QuickTimeで将来は対応」する予定だという。 ムービーメールと敢えて異なるフォーマットを採用したのは、ストリーミング再生のためだ。新しいEZムービーでは、巨大なファイルをダウンロードし終わらなくても、ストリーミング再生できるようになった。3GPPと異なり、3G2ではヘッダ情報がストリームの中に細切れで入れこんであり、「再生が始まるまでの待ち時間を大きく短縮できる」と言う。
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