Mobile:NEWS 2003年12月18日 05:07 PM 更新

究極のiモード〜FOMA「900i」5機種が発表

2004年2月には、FOMAの新シリーズ「900i」が登場する。カメラや端末の重さ、待受時間などさまざまな面で、ムーバと同等の仕様とし、コンテンツなどのサービス面では505iを上回る。

 「一言でいうと、究極のiモード携帯」──。iモード企画部長の夏野剛氏は、新シリーズ900iをこう表現する。これまで4桁型番だったFOMAからの脱却、そして505iシリーズをすべてで上回る3Gが登場する。


デザインにこだわった「N900i」と「P900i」を手に持つ、iモード企画部長の夏野剛氏。「名実共に世界最強の携帯であると自信を持っている」

特集:900iシリーズ登場
◆ソニー・エリクソン、東芝のFOMAはどうなった?
◆“本気”のFOMA「900i」発表
ワンプッシュオープン+カスタムジャケット〜「P900i」
“刀”をイメージした最軽量端末〜「N900i」
Excel、PDFの閲覧も〜「SH900i」
進化した指紋センサー付き「F900i」
撮った写真やムービーをテレビに出力〜「D900i」
テイルズもサカつくもパワプロもシレンも信長も 「900i」は強力ゲームマシン
Bluetoothにタッチパネル〜「F900iT」と「P900iV」

五つの新機能〜HTMLメールや「着うた」も

 ドコモは12月18日、FOMAの新シリーズとして「900i」シリーズ5機種を発表した。発売時期は「現在は2月を予定している。早くなる可能性もある」(NTTドコモiモード企画部長の夏野剛氏)。 価格戦略はまだ未決定だが「普通の人が普通に買える価格」になる。

 →端末の概要はこちら

 シリーズ共通の新機能は大きく五つある。

 「デコメール」は、携帯向けのHTMLメール。「PCとのやり取りができるHTMLメール。900i同士でなければ、まずはPCとの間でやり取りしてほしい。メールマガジンもリッチになる」

 「iアプリ」は、サイズが最大500Kバイトに拡大した。505iでは、JARが30Kバイト、スクラッチパッドが200Kバイトだったが、900iではJARが100K、スクラッチパッドが400Kと、2倍以上になっている。「900iではコンソールゲーム機にも匹敵するようになった。いまゲーム業界で“ゲームといえば”といって出てくるゲームは全部ある」

 発表済みの「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」(9月25日の記事参照)に加え、コーエーの「信長の野望・武将風雲録」、ナムコの「テイルズ オブ タクティクス」、チュンソフトの「i風来のシレン」、ハドソンの「モバイル天外魔境」、コナミオンラインの「パワフルプロ野球3」、そしてセガの「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! MOBILE」などが提供される予定だ。

 「着モーション」は、iモーション(2002年12月の記事参照)で着信時に音と映像で着信を知らせてくれる機能。「他社がやっていたものが、さらにパワーアップした。追いつけ、追い越せだ。『着うた』機能ももちろん入っているし、今日現在で2万1000のコンテンツが用意されている」

 「100Kバイト Flash」は、505iシリーズで初めて携帯に搭載されたFlashの容量を5倍に拡大したもの。900iシリーズでは、iメニューがFlash化され、インタラクティブな構成となる。「まずは隗(かい)よりはじめよ、ということで我々から」

 「キャラ電」は、テレビ電話時に自分の映像の代わりにキャラクターを表示させる機能。いわゆる「アバター機能」だ。ボタン操作で、キャラクターの動きや表情を変えることもできる。「テレビ電話女性の方から素顔を見せるのは嫌だといった声があった。ただし守りじゃなくて積極的に使えるサービス。コンテンツプロバイダがオープンにキャラクターを提供できるようにした」

 これら、コンテンツがリッチになるに伴い、iモード情報料の上限も、従来の300円から500円に値上げされた。


「デコメール」はHTMLメール。文字色、文字サイズ、文字の点滅、文字の移動(テロップ)、画像の挿入、背景色の変更といったことが行える


Macromedia Flashは、505iの20Kバイトから一挙に5倍の100Kバイトに拡大


「キャラ電」は、本人の顔の代わりにキャラクターが相手に表示される機能。数字キーで動かせる。各機種にDimoのキャラクターブンブンがプリインストールされているほか、男性女性のキャラ、計三つのキャラクターがインストールされている。ダウンロードして追加することも可能


「F900i」で表示させた「キャラ電」。普通のテレビ電話は左のような画面だが、「代替画像」を選択するとDimoの「ぶんぶん」が代わりに表示される。ぶんぶんのアニメーションは、数字の[1]〜[9]キーで変更できる

すべてで505iは超えた。しかし505iSは?

 900i(きゅうまるまるあい)シリーズは、端末スペックからサービスの面でも505iシリーズを超えた。ただし、505iSと比較すると追いつけていない部分もある。

 メニューアイコンをカスタマイズできる「メニューアイコンダウンロード」と、やり取りしたメールを一画面で見られる「チャットメール」がそれだ。

 「あくまで505iの機能をベースとして、900iとしての新機能を追加した。iSの機能強化についてはサポートできていない部分もある」(説明員)

iモードの成功パターンを広げる

 900iシリーズは、FOMAがドコモのメインストリームとなったことを象徴している端末群だ。iモード事業部に主管が移るのに伴い、これまでの“FOMAの色”を払拭しようとしているようにも見える。

 例えば、夏野氏は発表会中、「FOMA」という言葉はほとんど使わなかった。端末を見ても、これまでとは異なり、FOMAロゴはひっそりと入っているに過ぎない。

 「敢えて901iではなく900i。(ゼロからということで)正直言って気合いです」(夏野氏)

 夏野氏は4桁から3桁に型番名を変えた理由を、次のように話した。「FOMAは、2年間でいろいろなことを学んだ。4桁のときの考え方は、2000番台と2100番台の2ラインだった。しかしそのうちカメラの波がきて、2051というのが出てきたり、想定していたラインと違ってきてしまった。見直すいい機会ではないか。あとは分かりやすさです。900といえば505より上だと言うことがすぐに分かる」

 900iの今後の普及の見通しについては、「500万台以上はぜひいかせていただきたいと思っている」と、意気込みを見せた。なお、900iの次機種は901iになるという。




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関連リンク
▼ ドコモ ニュースリリース

[斎藤健二, ITmedia]

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