5分で分かる 今週のモバイル事情:2004年11日~16日
1週間の出来事が5分で分かる「今週のモバイル事情」。端末発売ラッシュだった昨年末とうって変わって、今年は静かなスタート。災害向けiモード伝言板や、携帯から文字だけで110番できるサイトなどが開設された。
2004年最初の1週間、米国で開催された総合ハイテク展示会International CESが、まず目玉の出来事(特集参照)。ただし、モバイルの観点からは携帯関係もPDA関係も大きな発表はなかった。
骨伝導携帯「TS41」が発売
端末では“音にこだわる”ツーカーが、骨伝導スピーカーを備えた「TS41」を発売した。カメラ、ゲーム……と多機能化が進む中で、本来の目的である通話に特化した端末だ(1月15日の記事参照)。
11月、12月の携帯販売状況は好調
JEITAの発表によると、昨年11月の携帯電話出荷量は3カ月連続で400万台を超えた(1月14日の記事参照)。出荷量は400万台が一つのめどであり、低調だった2002年と異なり、2003年は携帯販売が好調だったことが分かる。
これは各キャリアの契約者数の伸びにも反映されている。12月は11月に引き続き、auがドコモやボーダフォンを大きく引き離した(1月9日の記事参照)。
災害時にiモード伝言板、警視庁はiモードで110番
携帯電話が、社会的なインフラとして認められてきたことを実感できる例が、iモード伝言板とiモードで110番だ。
ドコモは地震などの災害時に電話に代わりiモードを安否確認に利用しようという試みを開始(1月9日の記事参照)。警視庁はiモードやEZweb、ボーダフォンライブ!から文字だけで110番が行えるサイトを開設した(1月13日の記事参照)。携帯Webサービスがインフラとしての地位を向上してきたことを意味している。
航空機内の携帯利用に罰金
運転中の携帯利用に罰金が科せられる試案(2003年12月の記事参照)に続き、航空機内の携帯利用も罰金となる法律が施行された(1月15日の記事参照)。日に日に、携帯電話の利用は制限されるようになっている。
公共インフラとして認知されると共に、これまで曖昧だったルールもしっかり整備する必要があるということでもある。マナーについて論じたコラムも、この週掲載された。
さて、来週は?
来週、1月18日から23日は、FOMA 900iシリーズの最初の機種が登場する可能性がある(特集参照)。メーカーではこの週に向けて準備を整えている。ITmediaでは、発売に合わせて、(1)コンテンツの内容 (2)デコメール、キャラ電などの新機能 (3)改めてFOMAの通信状況 などを特集を組んでテストする予定だ。
22日には、総務省主催の番号ポータビリティ4回目の研究会が開催される。論調として“番号ポータビリティ導入は前提”となってきた議論が(2003年12月の記事参照)、より具体的に話し合われるのか、それとももう一度ひっくり返るのかに注目したい。
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