「F900i」、携帯電話としての使い勝手を試す(2/3 ページ)
ドコモがPDCからFOMAへの移行を促す切り札として放ったのが「900iシリーズ」。その第1弾となる富士通製の「F900i」が登場した。スペックでPDCを追い抜いたことから注目が集まるが、“携帯電話としての使い勝手”は向上しているのだろうか。
使いやすいPIM機能が特徴
基本ソフトはFOMA共通のマルチタスクのサポートに加え、使いやすいPIM機能が特徴だ。「F2051」(2003年1月の記事参照)から採用されたSymbian OS(2002年12月の記事参照)をF900iでも引き続き採用しており、オーバーラップウィンドウを多用した直感的な操作が行える。
アドレス帳の情報量は多く、名前や電話、Eメールアドレスに加え、住所や会社名、役職なども登録できる。電話の発信回数、最終発信日、Eメールの送信回数、最終送信日なども記録され、電話の発信、Eメール送信の頻度順による検索も可能だ。
スケジューラも強力だ。時間範囲を指定した登録、複数日にまたがった登録もでき、毎週、毎日、毎年といった繰り返し指定も行える。予定の開始時間以前に予告アラームを鳴らすことも可能だ。関連するアドレス帳データを登録しておくと、スケジューラから電話をかけたり、スケジュールの内容を一斉にEメールしたりもできる。ジャンル別に一覧表示させたり、ビジネスモードとして月曜日を週の先頭に設定できるなど本格仕様だ。
使い勝手も配慮されている。アドレス帳は一覧で[2]キーを繰り返して押すと「か」「き」「く」の先頭先頭が表示される。登録件数が増えても検索が容易なタイプだ。1つのアドレス帳には電話番号、Eメールアドレスが最大5つ登録できるが、先頭に登録された電話番号やEメールアドレスに発信、メール作成は一覧の状態からワンキーで行える、ごく普通の使い勝手だ。
方向キーの周囲にある4つのソフトキーも有効活用できる。ディスプレイの下部に、それぞれのボタンに割り当てられた機能が常に表示されるので、操作に迷うことがない。情報量の多いQVGAディスプレイを積極活用して操作性を高めた好例といえるだろう。
Eメールは強力な振り分け機能が魅力
Eメールは強力な自動振り分け機能が特徴だ。PDCからの乗り換えユーザーから見れば、1通あたりの最大受信量が10Kバイト(約5000文字)となったことも魅力になるだろう。
メールの自動振り分けは、Eメールアドレスに加え、「タイトルの部分一致」「Eメールアドレスの電話帳登録なし」といった条件を設定できる。これらの条件は重複して一致する可能性があるのだが、優先順位を設定すれば的確な振り分けが可能。メーリングリストやメールニュースも的確に振り分けできるのは便利だ。ただEメールアドレスは完全一致なので、「会社からのメールをドメイン名で自動振り分けする」といった使い方はできない。
ただし自動振り分けの設定は少々面倒。メール表示画面からメールアドレスやタイトルを指定して直接振り分け条件に設定する──といったことができないのだ。コピー&ペーストで結果的に引用はできるが、最新のau端末などではメール表示画面(正確にはアドレス詳細表示)から直接振分け条件に設定できる機能が標準化しているだけに、ちょっと煩わしい印象を受ける。
メールの表示はフォントサイズが3段階用意され、メール閲覧画面からも大きさを変更できる。フォントサイズは最小でも1画面で最大196文字(14×14文字)と、情報量を欲張ったタイプではなく文字の視認性を重視している。ただ縦横ともに文字間隔が狭いため、ごちゃっとした印象も受ける。なお画面のスクロールは、下の2つのソフトキーを使って行える。
日本語入力は予測変換機能を備え、購入直後でも予測候補が豊富に登録されている。ただ次文節予測は搭載されず、今となっては平均的な日本語入力機能だ。絵文字や記号はワンキーで一覧を呼び出して簡単に入力できるが、連続入力できない点には不満が残る。
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