これが本命? auの「BREW+WIN」3モデル:Mobile Weekly Top10
8カ月の沈黙をやぶって、ついに登場した真のハイエンド端末ともいえる「BREW+WIN」端末。auのウリといえば、定額制とEZナビウォークだったりするわけだが、やっと両方が一緒に使える端末が現れる。
今週最大のトピックは、やはりauの新WIN端末だ。アクセスランキングでも上位5位を独占した。
それはそうだ。筆者も含めて多くのユーザーが、真のハイエンド端末を待っていたに違いない。“待ちに待っての登場”は、ドコモのFOMA 900iシリーズを彷彿とさせる。
これまでも1X WIN端末の魅力はたっぷりあった。「パンドラの箱を開けた」とさえいわれる定額制も(2003年10月の記事参照)、2.4Mbpsの高速通信も1X WIN端末ならでは。
しかし一方で、通常のハイエンド端末はやはりCDMA 1Xだった。「EZナビウォーク」といい(2003年10月の記事参照)、スタイリッシュなデザインといい、FMラジオといい(2003年10月の記事参照)、auの強さの一因であるバリエーションに富んだ端末はいずれも1X。
現行WIN端末も一見3機種あるように見えるが、「W11H」と「W11K」はボディを変えただけの双子の端末(2003年10月の記事参照)。「W21H」はEZチャンネルも使えなければQVGA液晶ですらない(3月1日の記事参照)。“メガピクセルカメラ+QVGA液晶”という高性能端末の条件がWINでは満たされていなかったのだ。
8カ月の沈黙を破って発表された「W21SA」「W21S」「W21K」は、Flashや大容量BREWアプリ、進化したEZナビウォークなど、1xを超える機能を盛り込んできたあたり、“満を持して”出してきただけのことはある。
それぞれの機種の概要は、ランクインした記事に任せるとして、3機種のお勧めポイントを考えてみよう。
W21SAは、実はau初の回転2軸ヒンジ構造。「A5505SA」あたりから、多くの機能を盛り込んだ“全部入り”端末を作ってきた三洋だが、W21SAでは形状までハイエンドっぽくなってきた。高機能化に伴って、重く、大きくなってきたのは、ちょっとやりすぎの感もあるが、“とにかく高機能なau端末”がほしい人には魅力的。ダイヤルキーの配置が従来の三洋端末から変更され、ボディの質感が少々おもちゃっぽいところもあるが、店頭で手に取って納得できるなら買いだろう。
W21Sは、ジョグダイヤル付きのハイエンド端末ということに尽きる。どうもソニー・エリクソン製端末は、カメラや特殊機能の点で、他社の後塵を拝することが多かったのだが、W21Sでは不満のないレベルまで来た。これでジョグダイヤルとPOBoXを搭載しているのだから、“ジョグダイヤルファン”にはたまらない。個人的には、とりたてて、“これ! ”という機能はなく、重く大きい点が気になるが、「ソニー・エリクソン製なら許してしまう」という人も多いのではないか。
W21Kは、WINであることを忘れてしまう端末だ。上記2機種とはうってかわって、115グラムという軽さ。外部メモリカードを備えず、EZナビウォークが使えないなど、割り切られた部分も多いが、メガピクセルカメラ(CMOSだが)やQVGA液晶(2.2インチと一回り小振り)など、基本機能は妥協していない。ハイエンドユーザーには物足りないかもしれないが、まず間違いなく売れる端末だろう。
au端末は、先のロードマップが見えていることが多いのだが、これまで言われてきた“進化の流れ”は、WIN+BREWの3端末が登場したことで、いったんゴールとなる。
この先のauで明らかになっているのは、
- 2004年秋に、2GHz帯もCDMA 1X導入。デュアル端末が登場
- 2005年度下期、モバイルSuicaスタートと合わせてFeliCa端末投入
- 2005年度末、地上デジタルテレビ放送対応端末投入
- 2007年目処に、燃料電池搭載端末投入
といった程度。未だWINを投入していない、カシオや東芝といったメーカーも、おそらく年内にはWINに参入してくると想定されるが、全体としての機能には大きな変化はないかもしれない。
この夏、長くつきあえる端末として“BREW+WIN”を選ぶのはいい選択となりそうだ。
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