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CCDからCMOSへ~変わる携帯カメラ(3/3 ページ)

携帯の高画質のカメラといえばCCDで、これまでCMOSは一段低く見られてきた。しかし130万画素を実現したCMOSセンサーが登場したのを機に、徐々に携帯電話のカメラがCMOSに移行していくかもしれない。CCDのほうがCMOSよりも高画質だった理由を構造面から再確認し、なぜ今CMOSなのかを探っていこう。

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CMOSセンサー、画素数アップの可能性

 もう1つ、CMOSの弱点は画素数アップ競争でCCDに遅れをとりがちだったことだ。CCDでもCMOSでも画素数を増やすこと自体は難しくないが、携帯電話に入れることを考えるとサイズを小さくすることが求められる。センサーが大きくなると光学モジュールのサイズも大きくなり、モジュールが厚くなってしまうからだ。

素子サイズ 画素数 端末例
1/1.8インチ 320万画素 A5406CA
1/2.7インチ 204万画素 F506i
1/3.15インチ 195万画素 P900iV
1/3.6インチ 128万画素 P900i
1/4インチ 100万画素 SH505i
各端末が搭載したCCDの撮像素子サイズの例。CCDでは既に1/2.7インチで202万画素、1/3.15インチで195万画素といったデバイスが携帯に搭載されている

 撮像素子の大きさは、1画素のサイズ=セルサイズで決まる。従来CMOSのセルサイズは5.4μm程度で、微細化はCCDのほうが先行していた。東芝は、今回セルサイズを3.3μmセルまで小型化し、CCDとほぼ同等のセルサイズを実現。これによって1/3.3インチで130万画素が可能になり、メガピクセル携帯の土俵にCMOSも乗ってきたわけだ。

 「受光素子のサイズが小さくなるので感度そのものが下がり、ノイズの影響を受けやすい」(金子氏)

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 では、今後の画素数競争ではどうか。「同じプロセスならば、CCDよりCMOSのほうがセルサイズの縮小は難しい。ただしCMOSロジックのプロセスが進めば、配線を細くすることができる。逆にCCDよりも微細化がしやすい」と金子氏。3.3ミクロンプロセスを実現した今年がひとつの転換期と見る。

 CCDはプロセスが進んでも、転送デバイス部分の小型化が難しいため、セルサイズの縮小に制限がある。CMOSの場合は転送デバイスが必要ないため、プロセスの進化に従い相似的に小さくしていけるということだ。

 セルサイズ3.3μmならば、200万画素まで増やしても1/2.6インチサイズが可能。今後2.7μmまでの微細化のめどはたっており、「300万画素までは1/2.7インチサイズでいける」(金子氏)。

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高電圧のCCD

 複数の電圧、高い電圧が必要。「CCDはコンデンサのお化けなのでドライバ回路に駆動能力が必要になる。CCDそのものは原理的には電力消費はしないが、それを動かすドライバで消費する。CMOSセンサーは電荷から電圧に変換すると、通常のロジックのプロセスで流れるので、そこでの消費電力の差は大きい」(金子氏)

 比較は難しい。ほとんどのCMOSセンサーはA/Dコンバータも含んでいるからだ。「センサー単体で比べれば(CCDの)10分の1といわれていた。全体のシステム構成が違ってきているので、今では5分の1ですよ、といった言い方をしている。周辺が含まれれるほど差は縮まってくる」

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