D902iの「撮影モード」は、かなり遊べる:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/4 ページ)
D902iは、4Mのオートフォーカス付きとハイスペック。豊富なシーンモードを備えるので、片端から試してみた。
説明には「夕暮れの風景を美しく」とあり、紫がかるとあるが、紫がかっていると美しいのは夕暮れより明け方。夕日は、紫は入れない赤みが強い方がいいと思う。確かにきれいな空にはなるからこれはこれでいいのだが。
そして夜の撮影だ。
夜景モードは周りの暗さにひきずられないように、やや露出アンダー目になる。その方がネオンはきれいに撮れるのだ。
もっと暗いとこへいってみよう。
ちなみにフルオートだとISO 800で3分の1秒(すごく暗いところなのだ)、感度アップだとISO 500で2分の1秒、超感度アップだとモノクロになってISO 180の1.3秒。手持ちなので、等倍で見るとちょっとブレてるけど、すいません。
もうひとつ例を。
オートだとISO 300、感度アップだとISO 180、超感度アップでもISO 180である。
普通、カメラの世界だと、感度アップ=ISO感度を上げる、なのだ。感度を上げるとISO感度が上がるのでシャッタースピードが早くなり、暗くてもブレにくくなる。しかしD902iの場合は「感度」の解釈が全く違うらしい。感度アップモードだとISO感度を抑えてシャッタースピードを遅くするのだ。その方がノイズは乗りづらくて「きれいに写る」けれども、手ブレはしやすくなる。超感度アップも同様。カメラのISO感度と同じだと思うと失敗するので注意したい。
ちなみに、ケータイとはいえカメラ機能での用語や概念はデジカメに合わせるべきだと思う。そういう意味ではもうひとつ気になる点があった。
「色の濃さ」を変えられるのだが……
なのだ。彩度とコントラストの両方が上がっていると思っていい。「色の濃さ」でコントラストまで上がるとは思わなかったのでちょっとびっくり。
遊べる高解像度端末としてお薦めか
以上、いろんな撮影モードを作例付きで紹介したので長くなってしまったが、このように撮影モードを駆使して遊ぶのがD902iの面白さだ。
カメラの起動はメニューか、側面のシャッターボタン長押しか、レンズカバーの開閉で行う。ただレンズカバー開閉は待受画面の時しか連動しないので注意。起動にかかる時間は約2.5秒となかなか迅速だ。
撮影にかかる時間は、4Mの高画質でminiSDに書き込む場合で約11.5秒。2Mモードだと約9.3秒となる。VGAモードだと約7.5秒だった。ただしAF動作の約1.8秒が含まれているので、純粋に撮影後に記録するだけの時間ならもうちょっと短い。スーパーCCDハニカムは撮影データを画像データに変換する作業がちょっと重いので、これはしょうがないところか。
(左)メニューを使って詳細な設定をすることもできる(右)撮影モードをメニューから選ぶと、下にサンプルと一緒に細かい解説が付くので便利。これは「感度アップ」の解説。「カメラの感度がアップ」という表現は誤解を招きやすいけど
そんなわけで、縦位置撮影が基本で撮影モードが超豊富で楽しめるのがD902i。個人的には2Mモードで十分いい感じかと思う。
注文があるとすれば、冒頭触れたとおりAFロックボタンを付けてもらうことと、あとは「感度アップ」などの用語を普通のカメラ用語の概念に合わせてもらって、分かりやすくすることくらいだ。画質もなかなかよく、凝った設定もさっとできるインタフェースを備えているので、カメラ機能を積極的に楽しみたい人にお薦めの端末だ。
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