5分で分かる、今週のモバイル事情:4月7日~4月13日
WILLCOM FORUM & EXPO 2007が開催された今週は、ウィルコムのトピックが目白押し。喜久川社長を始めとするキーパーソンが、PHSの強みをアピールした。
WILLCOM FORUM & EXPO 2007開催、“PHSならでは”の強みをアピール
4月12日と13日、ウィルコムが「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」を開催した。基調講演に登場した喜久川政樹氏社長は、シャープ製のWindows Mobile 6搭載スマートフォンと東芝製音声端末を開発中であると発表(4月12日の記事参照)。2007年はネットワーク、サービス、プロダクトの3つを強化するとし、具体策として高度化通信規格「W-OAM」の拡大や次世代PHSの開発、法人向けとファミリー向け料金の充実とFMCサービスの強化、オープンプラットフォームのさらなる推進と新製品の投入を挙げた(4月13日の記事参照)。
技術面では近義起副社長が、次世代PHSのロードマップを披露。まずは携帯基地局並みのセル範囲を実現し、高速移動時にも安定した接続を確保できるマクロセル化や、基地局とバックボーンをつなぐ回線のIP化を推進することで、利便性の向上を目指すとした。また、2009年には通信速度が20Mbps台になるというロードマップを示し、「容量に関しては現在でもPHSが携帯電話を上回る。高速化した次世代PHSでも、緻密なマイクロセルネットワークによるモビリティと容量の大きさといったアドバンテージは変わらない」と自信を見せた(4月13日の記事参照)。
展示会場では、GPS内蔵のW-SIMやスタンドアロンW-SIMが参考出展されたほか(4月13日の記事参照)、土橋匡副社長が“なるべく早く実用化したい”と話す「プラモフォン」や、人気の「W-ZERO3」の未来の形をイメージした「W-ZERO3 future edition」、ぬいぐるみを動かして各種機能を操作する「くまふぉん」など、SIM STYLEの可能性を垣間見せるコンセプトモック群を披露(4月12日の記事参照)。次世代PHS関連では、2.5GHz帯を用いた公開デモを実施。三洋電機製の基地局と端末局を使ったハイビジョン映像のストリーミング配信を行い、映像がスムーズに再生される様子を紹介した(4月12日の記事参照)。
さらにイベント直前には、「W-ZERO3」シリーズでWindows Liveのサービスを利用可能にする統合ソフト「Windows Live for Windows Mobile」を提供開始するなど(4月11日の記事参照)、新たなトピックを次々と提供してウィルコムユーザーを喜ばせた。
モバイルGmail登場
グーグルが、PC向けのメールサービス「Gmail」をモバイル環境で利用可能にする「モバイルGmail」を提供開始した。
モバイルGmailの特徴は、(1)オートログイン機能(2)添付ファイル閲覧機能(3)PC版との同期(4)各種端末への表示の最適化(5)広告の非表示など。まずは、PC向けのGmailを利用しているユーザーが出先でも利用できる環境を用意したといい(4月11日の記事参照)、次のフェーズで携帯のみからインターネットにアクセスするユーザーに向けたサービスも検討するとした(4月10日の記事参照)。
セブンイレブンの「nanacoモバイル」、先行事前登録がスタート
セブンイレブンが4月10日、同社が独自で展開する電子マネー「nanaco」の公式サイトをオープンした(4月9日の記事参照)。携帯の公式サイトはau向けが4月12日にオープンし、ドコモ向けは4月16日にオープン予定だ。電子マネーサービスは、4月23日からスタート。セブンイレブンの買い物をおサイフケータイで行えるようになる。
コンビニエンスストアは、電子マネーによる決済を積極的に推進しており、4月10日にはJR東日本とファミリーマートが6月以降、首都圏のファミリーマート全店にSuicaを導入すると発表している(4月10日の記事参照)。
筆頭株主交代で揺れるアイピーモバイル
4月9日、新聞各紙が「アイピーモバイル、携帯事業参入断念」と一斉に報じた(4月9日の記事参照)。アイピーモバイルは、TD-CDMA方式を利用した高速モバイルデータ通信サービスで新規参入を目指す携帯事業者。当初は昨年10月のサービス開始を予定していたが、同年7月になって2007年春に延期すると発表していた。
その翌日、アイピーモバイルが今後の事業方針について説明(4月10日の記事参照)。筆頭株主だったマルチメディア総研が全株式を森トラストに譲渡したことを明らかにし、今後は森トラストと協議を進めながらサービス開始を目指すとした。会見に出席した代表取締役執行役員社長の杉村五男氏は、「総務省より認定された開設計画に基づき、事業化に向けて邁進する」と明言している。
しかし、筆頭株主が交代するに至った経緯やサービス開始の時期について明かされることはなく、杉村氏は「次に会見を開く際にはサービス開始時期を明言する」というに留めた。
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