いくつかの決意と深いため息、そしてあきらめ――ドコモ/KDDI/Ericssonが考える「iPhone」:Mobile Weekly Top10
ドコモ執行役員の夏野剛氏が講演を行ったスウェーデン大使館主催のカンファレンス。パネルディスカッションではドコモ/KDDI/EricssonのキーパーソンがAppleの「iPhone」について、“率直”な感想を述べた。
+D Mobile Weekly Access Top10
2007年11月08日~2007年11月15日
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今週の人気トップ10は、上位4本までが“シャア専用ケータイ”「913SH G TYPE-CHAR」関連の記事が占めた。5000台限定という特典(オリジナルのクオカードが2枚)付きの先行予約分はすでに完売しており、現在は特典なしの通常パッケージの予約を受け付けている。クリスマスを控え、この冬は一体いくらのザクヘッドが日本中に出荷されるのだろうか……。
さて、NTTドコモ執行役員の夏野剛氏がドコモの次世代サービスについて講演した「第7回 Swedish ICT/Wireless Technology Conference」は、スウェーデン大使館投資部(ISA東京)と日本エリクソン、さらにスウェーデンの通信技術企業の共催で開かれたイベントだ。
日本からはドコモだけでなく、KDDIコンシューマ事業統括本部 コンシューマ商品企画本部部長の長島孝志氏が出席し「KDDIのコンテンツメディア戦略」と題してauケータイの新たな取り組みを発表。また、スウェーデンEricssonの消費者研究所ミカエル・ビョルン氏による「消費者とモバイルマルチメディア」、同社政府&産業界担当取締役ミカエル・ハレン氏の「マルチメディアに備える」という講演なども行われた。
ミカエル・ビョルン氏がモデレータとなったパネルディスカッションでは、ドコモ/KDDI/EricssonがAppleの「iPhone」をどうとらえているか、という質問が出た。
「実はMacファンで、Newtonも持っていたことがある。iPhoneも持っている」という夏野氏は、ファンの立場ではなく専門家としての立場でiPhoneを分析。「ケータイの世界では、“こんな機能が載ってます”“あんな機能が載ってます”という宣伝が行われるが、それが使えるサービスかどうかは別もの。iPhoneも無線LAN経由でしか音楽を買えないなど、意外に携帯ネットワークを活用していない。もっともっといろんなことができると思う」と述べ、製品が持つイメージと実際にできることに若干のギャップがあり、機能拡充の余地があることを指摘した。
「ただ、ユーザーインタフェースの割り切りはすばらしい。iPhoneが発表されたときに“やっぱ社長になんなきゃダメだなぁ”と実感した」(夏野氏)と、UIを絶賛しながら意味深な一言をつぶやいた。
KDDIの長島氏は「非常に面白い存在。ただ、ネットワークでどこまでできるかかが今1つハッキリしない」と、夏野氏と同じような印象であると話す。
また、「iPhoneをauブランドで出せたら、すごくうれしい。ただ、今の仕様のままでは日本市場では厳しいかもしれない。例えば、無線LAN機能を搭載しているが、日本では欧米ほど公衆無線LANが発達しておらず、あまり活用できるとは思えない。キャリアとしてはもっと携帯網を使う機能やサービスを乗せたいが、AppleがKDDIの要望を受け入れるとはちょっと思えない」(長島氏)と話し、さらに、KDDIが同じようなコンセプトの端末やiPhoneを上回る端末を開発すればいいと発言した。
Ericssonのビョルン氏は「iPhoneを考える上で重要なのはターゲットユーザーの存在。すでにわたしたちのような、キャリアやメーカーの当事者はターゲットから外れているのかもしれない。自分は音楽が好きでiPodユーザーだが、この場にいる多くの人と同じく40歳以上で、モバイルデータ通信を多く行わない世代」と、iPhoneのとらえ方に世代間ギャップがあることを指摘。平均年齢がやや高めの会場からは、深いため息がこぼれる一幕も。
最後にEricssonのミカエル・ハレン氏は、夏野氏が講演で“給料が安い”ことを繰り返したのを受け、「わたしは夏野氏よりもっと給料が安いので、たぶんiPhoneは買えないだろう」と笑いを誘った。
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