3割弱が“恐い思いや嫌な思い”をしたことがある――中高生のケータイ利用で
ネットエイジアが、携帯電話のフィルタリングサービスに関する意識調査の結果を発表。ケータイのインターネット利用では、約9割が自由にアクセスできる環境にあると回答しており、「恐い思いや嫌な思いをしたことがある」という回答は26%に達した。
ネットエイジアは2月26日、「携帯電話フィルタリングサービス」に関する自主調査結果を発表した。調査は2月21日から22日まで13歳から17歳の中学生、高校生ユーザーを対象に行ったもので、回答サンプル数は394名。
同調査によれば、携帯電話を使用していて「怖い思いや嫌な思いをした」と回答したユーザーは全体で26.1%、中学生では21.3%、高校生では28.9%だった。経験の内容について聞いたところ、「一般サイトに登録したはずが出会い系サイトにも勝手に登録され、誘いのメールが多数きた」「サイトを通してメールをしたところ、“直接メールをしよう”としつこく迫られた」などの回答があった。
有害サイトへのアクセス経験を聞いたところ、「アダルト」については27.7%がアクセス経験ありと回答。その他は「出会い・援助交際」が10.2%、「グロテスク・暴力」が9.9%、「いじめ」が7.1%、「自殺」が3.8%だった。
ケータイでのインターネット利用に関して、「親から使える時間や使えるサイトを決められている」割合は10.2%で、全体の9割は自由にアクセスできる環境にあることが分かった。特に高校生では、94%が制限なしで利用している。
フィルタリングサービスの内容と実施に関しては、回答者の74.6%が理解していた。フィルタリングをかけられ、SNSや掲示板、アバターなど、コミュニケーション系コンテンツが「利用できなくなるとかなり困る」と回答したのは45.7%、「少し困る」が31.8%と、これらを合わせると全体では77.5%が「困る」と考えていることが分かった。
実際に自分のケータイがフィルタリングをかけられた場合の対応方法を聞くと、「親に頼んで解除手続きをしてもらう」が51.8%、「解除手続きをしてもらいたいが、がまんする」が16.2%、解除しない派は6.3%だった。23.6%は「わからない」と回答している。「親に頼んで解除手続きをしてもらう」という回答者のうち、解除について「親が許してくれると思う」と答えたのは60.3%となっている。フィルタリング対象のうちで、フィルタリングを解除しケータイを利用する割合は全体で3割程度となる。
フィルタリングをかけられた場合のケータイのインターネットの利用時間、頻度の変化について聞くと、「かなり減る」という回答が35.3%、「半分ぐらいに減る」が15.2%、「少し減る」が24.1%で、「減る」と回答した割合は合わせて74.6%に達した。「変わらない」は23.6%、「安心だから増える」は1.8%となっている。
ケータイでの1日のネット利用時間が「4時間以上」の利用者では、「かなり減る」が51.4%、「半分ぐらいに減る」が38.6%、「1時間~3時間」の利用者では「かなり減る」が38.6%、「半分ぐらいに減る」が17.2%となっており、インターネット利用の多いユーザーほど減少する傾向が顕著だという。
関連記事
- ケータイ調査リポート
フィルタリングサービスの原則適用化で、未成年向けモバイルコンテンツはどうなる?
携帯3キャリアは、未成年者に対してフィルタリングサービスの原則適用化に踏み切った。携帯電話による不健全なサイトへのアクセスを防ぐ目的だが、大きな影響を受けそうなのが、モバゲータウンなどの“一般サイト”である。携帯フィルタリング、やるべきはソコか?
未成年者の新規加入に対する携帯フィルタリングが原則化された。事業者や当の子どもたちからの懸念もあるが、そこには「親」の立場からの意見がないように思える。それに、「まずはフィルタリング」でいいのか?「まぢわかんない」「悪い大人を取り締まって」――携帯フィルタリングに未成年者の反応は
携帯電話サイトのフィルタリングは、大人が一方的に決めたルールだ。子どもたちは「それって何?」ととまどったり、「悪いことはしてないのに」と不満を募らせたり、「仕方ない」とあきらめたりしている。「あまりに急」「検閲では」――携帯フィルタリングに事業者から不満続出
未成年者は携帯フィルタリングに原則加入――昨年末、総務省の突然の要請が、携帯コンテンツ業界に波紋を広げている。未成年者は市場のけん引役。「一律フィルタリングでは健全なサイトも見られなくなる」「検閲に近い」などと、事業者側は不満を募らせる。親は“禁止”、子供は“困る”――携帯コミュニティサイトのアクセス制限、親子で温度差
ポイントオンが、KLabと共同実施した携帯フィルタリングサービスに関する調査結果を発表。携帯コミュニティサイトの利用については、子供が「アクセス制限されて困る」サービスのトップに挙げたのに対し、これらを「子供が利用してもいいサービス」と考える親は20%にとどまった。一方で、子供にフィルタリング解除を頼まれた場合、親は同意する傾向であることも分かった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.