京セラの「iBurst」拡張技術、IEEE802.20標準に
IEEEは6月12日(現地時間)、京セラが802.20作業部会に提案していた「iBurst」をベースとした技術を、IEEE802.20の規格として正式に承認した。
IEEEは6月12日(現地時間)、京セラが802.20委員会に提案していた「iBurst」をベースにした技術を、802.20の625k-MC規格として承認した。京セラが明らかにした。
IEEE802.20は、3.5GHz以下の無線帯域で運用すること、IPベースのシステムであること、ユーザー1人当たりの最高通信速度が、下りで1Mbps以上になること、最高時速250キロまでの高速移動に対応すること、現行システムと比較して周波数利用効率が高く、多くのユーザーが高速通信可能なことなどを要件とし、高速大容量無線データ通信方式の標準化を行っている作業部会だ。米QUALCOMMや京セラなどが技術の提案を行っており、標準化議論の中心となっている。
京セラは、海外11カ国(オーストラリア、アゼルバイジャン、カナダ、ガーナ、ケニヤ、レバノン、マレーシア、ノルウェー、南アフリカ、タンザニア、アメリカ)で商用導入しているiBurst技術をベースに、約1.5倍の伝送効率を実現する高速変調や1対多の通信に対応できるマルチキャスト、暗号化方式AESへの対応といった拡張を行った規格をIEEE802.20作業部会に提案していたが、これが規格として正式に承認された。
iBurstは、以下のような特徴を持つ通信技術だ。
- 周波数利用効率が高く、狭い帯域でもシステム構築が可能
- 時速100キロでもスムースにハンドオーバーできる
- VoIPサービスへの適合性が高い
- 1ユーザーあたり下りで最大2Mbpsのデータ転送速度を実現
- オールIPベースのネットワーク
iBurstは正式承認された802.20の625k-MC規格と互換性があるため、京セラは「この正式承認によってiBurstの導入地域がさらに広がることが期待できる」としている。
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