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iPhone 3Gに関する率直な感想Mobile Weekly Top10

iPhone 3Gの発売から3週間。ネットにアクセスするツールとして非常にすばらしいと思う反面、やはり日本の携帯電話とは開発思想が大きく異なることがよく分かった。今回は、改善してほしいポイントをいくつか挙げてみたい。

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+D Mobile Weekly Access Top10

2008年07月24日~2008年07月30日

  1. ソニエリ、ウォークマン携帯3機種を投入
  2. auに新機種ラッシュ到来──iPhone 3G熱もさほど冷めず、連続首位
  3. 第22回 iPhone 3Gというインパクト、国内メーカーにはないAppleの割り切り
  4. 写真で見るau design projectの新コンセプトモデル
  5. アナログのアプローチで感性に訴える――「ガッキ ト ケータイ」が目指す新たな世界
  6. 第2回 microSDHCでちょっと武装してみる
  7. 「サザンケータイ」や“安全第一”ケータイ、モバイルWiMAX用のプロトタイプ端末など展示――KDDIブース
  8. 女性が“最も見られたくない”ケータイ内のデータは
  9. Samsung電子のタッチパネル携帯「OMNIA」、ソフトバンクモバイルから年内発売か
  10. 限定3000台の「サザンケータイ」、抽選販売の一般申し込み受け付け開始

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 今週のアクセスランキングは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが欧州向けに発表したウォークマンケータイの話題が1位をさらった。続く2位には、7月25日に掲載した販売ランキングの記事、3位にはデザイナーの小牟田啓博氏の連載記事が入った。この2本はいずれも「iPhone 3G」に関連する話題を含んだものだ。4位と5位にはau design projectの最新コンセプトモデルを紹介した記事がランクインした。

 さて、発売から3週間がたった今も、依然高い関心を集め続けるアップルの「iPhone 3G」。毎週末に少量ずつ販売店に入荷しているようで、最近ようやく入手できたという人もいるようだが、読者諸氏の実際に使った感想というのは、どのようなものだろうか。

 発売前から指摘されていたことだが、iPhone 3Gには、これまでの携帯電話にはなかったインターネットとの高い親和性がある一方で、やはりメールを中心に携帯電話を利用する場合には、日本語入力という高いハードルがある。iPhone 3Gのすばらしさは認めつつも、その魅力をさらに高めるために、今後のソフトウェアアップデートなどで改善してほしいポイントをいくつか挙げておきたい。

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 最大の改善ポイントは、やはり「安定性」の一言に尽きるだろう。iPhone 3Gは携帯電話よりも汎用OSを搭載したPCに近いデバイスであり、しかたがない部分もあるのかもしれないが、使用中に頻繁に“落ちる”。例えばマップで地図を見ている最中、あるいはSafariでWebサイトを閲覧している途中などに、突然画面が暗転してホーム画面に戻ってしまうことが1日の間に何度もある。落ちたあと、意味の分からないメッセージや16進数のコードを表示したりはせず、何事もなかったかのようにホーム画面が表示されるので、PCをよく知らないユーザーがパニックになったりはしないだろうが、やはり気持ちのいいものではない。

 Safariは、落ちたあとに再起動すれば、落ちる直前に開いていたWebページを再度読み込んでくれることもあるので、単純な閲覧中であればそれほど被害は大きくないが、入力中の文字が消えてしまったりするとストレスは大きい。ぜひとも次回以降のソフトウェアアップデートで安定性の向上を図ってほしい。

 もう1つ、絶対に改善してほしいと思うのが「日本語入力システム」だ。新搭載のKANAキーは、コンセプトはすばらしく、うまくチューニングされていけばダイヤルキーでの文字入力を超える入力速度が得られる可能性があるが、実態がついて行っていないのが現状だ。Safariやメールで文字を入力するシーンは多いが、正直iPhone 3Gでメールを書く際には忍耐力が必要になる。

 iPhone 3Gの日本語入力システムは、使っているうちにどんどんどんどん遅くなっていく。しまいには入力してから何秒も経たないと入力された文字が画面に出てこなくなる。QWERTYキーならまだ少しマシなこともあるが、それでも快適に文字が入力できるというレベルにはほど遠い。おそらく非力なCPUで漢字への変換候補などを検索しながら動作しているために起こっている現象なのだろうが、ここはぜひ快適に使えるよう、高速化してほしいものだ。

 日本語を変換する際に、連文節変換ができない部分もぜひ修正してほしい。多くの携帯電話ユーザーは、メールを打つときにいちいち文節ごとに区切って日本語の変換などしていないだろう。適当な長さの文章を入力し、適宜漢字やかなに変換しているはずだ。しかしiPhone 3Gでは、複数の文節にまたがる文字を入力すると、ひらがなかカタカナにしか変換できなくなる。結局、入力した文字を消して文節を小さくし、確定したあとに続きの文章を入力する羽目になる。

 また、変換候補の選択方法にも、まだまだ改善の余地がある。候補を表示する小窓が別のボタンや選択肢の上に重なってしまって押しにくくなることもままあり、使い勝手は、洗練されたiPhoneのユーザーインタフェースからはほど遠い。ジャストシステムには、ぜひiPhone 3Gで使える日本語入力システムを開発してほしい。


 ビューアーとしてのiPhone 3Gの能力は非常に高く、PCと同じような感覚で利用できるGmailやMobileMeメールの使い勝手はすこぶる良好だ。外出中にちょっと調べ物をしたり、メールボックスを整理したりするのには、iPhone 3Gは現時点で最強といってもいいデバイスといえる。しかし、落ちやすい点と快適とは言えない日本語入力環境のために、メールの返事を書いたり、ブログのエントリーを書いたりしようとはなかなか思えない。結局、iPhone 3Gでは”見る”ことに終始してしまうことが多いのだ(見られるだけでもすばらしいと言えばすばらしいのだが)。

 そのほかにも要望はいろいろあるが、まずは安定性の向上と快適な日本語入力を早急に実現してほしいと思う。

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