「WILLCOM D4+MapFan Navii」は、どこまで“カーナビ”になるか(前編)(2/4 ページ)
WILLCOM D4をカーナビにしてしまうPCカーナビソフト「Mapfan Navii」が登場。専用カーナビと比べて、どこまで“カーナビ”として使えるか。どこにメリットがあるのか、実際に専用カーナビと使い分けながら検証した。
地図データはすべてHDDにインストール
MapFan Naviiは地図データや地点情報など、データのすべてを本体のHDDにインストールして利用する。インストールには約3.7Gバイトの空き容量を必要とする。せっかくWILLCOM D4には通信機能があるのにと思うところはあるが、本体に基本データをすべてインストールすることで地図表示や地点情報検索などの高速な操作性が期待できるうえ、ウィルコムの通信エリア外でも利用できる(逆に、できなければならない)。“カーナビ”であるからこの仕様にしたのだろう。ちなみにウィルコムの通信機能はオンデマンドVICSの取得やインターネット経由の周辺詳細情報の検索などで用いる。
ちなみに、インストール後に1回実行する必要があるプロダクトキーの登録はウィルコム回線経由でのみ可能。地図データをすべてインストールするので、通信(W-SIM)なしでも一応は利用できる。ただ、オンデマンドVICSなど、便利機能の一部をウィルコム公式コンテンツとして展開(通信費などとともにウィルコムから請求)するため、原則として利用には契約中のW-SIMを装着しておくになるだろう。
MapFan Naviiの特徴は、よくも悪くもWILLCOM D4に最適化されている点だと思う。
ソフトの動作環境は基本的にWindows Vista搭載のPCであればよさそうだが、画面デザインはWILLCOM D4の「1024×600ピクセルの5インチタッチパネルディスプレイ」で利用するのに最適化されている。仮に、10インチほどのディスプレイを備えるモバイルPCなどで動作させたとしても、フォントやボタンが大きすぎるといった理由で、ちぐはぐな印象に感じてしまうだろう。
基本操作はほぼタッチ操作で行える。地図はタップした部分が中央に移り、画面に触れたまま指を動かすと地図をスクロールできる。一応本体キーボードの方向キーでもスクロールできるが、間違いなくタッチ操作の方が快適だ。地図の拡大/縮小は画面の左端にある(普段は隠れているが、画面をタップすると左端から現れる)大きな「+」と「ー」のボタンにタップして行う。表示の切り替えはかなり高速で、タップし続ける連続操作が可能だ。
ナビゲーション画面にはこのほかに、カーナビとして利用頻度が高い機能を呼び出すためのボタンとメニューボタン、地点ロゴマークのオン/オフ、オンデマンドVICSの即時取得用ボタンなどを配置する。最下段のボタンはコンパスマークをタップすると表示され、一部のボタンはスクロールなどの操作時に、画面が広く使えるよう一時的に消えるといった動きの工夫がある。
目的地の設定や周辺施設は、都道府県や市町村、ジャンルで絞り込む方法以外に、携帯のダイヤルキーのようなソフトウェアキーボード入力でも検索できる。もちろん文字入力は本体のキーボードも使えるが、車載においてはタッチ操作のほうが確実。検索は読みがな(ひらがな)だけで行えるので、複雑になりがちな漢字変換操作は必要ない。ちなみにタッチ操作の文字入力はキーを連打するようにタッチしても取りこぼしがほとんどなかったので、画面の入力内容を逐次確認せずに入力していける点がよい。この部分の挙動は地図の拡大/縮小ボタンとは逆の反応になっており、実際の使い勝手を考慮し、よく考えられていると感じた部分だ。
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