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ケータイを振る動作で本人を確認――KDDI研、「腕振り認証システム」を開発
KDDI研究所は、腕を振る動作が個人ごとに違うことに注目し、携帯電話を振ることで認証を行うシステムを世界で初めて開発した。あらかじめ登録したパターンと、加速度センサーの信号を比較して認識を行う。
KDDI研究所は4月10日、携帯電話内の加速度センサーで腕を振る動作を検知し個人を認証するシステムを発表した。
このシステムは、KDDI研と東京工業大学羽鳥好律研究室が共同で開発したもの。腕を振る動作には腕の長さや筋肉の付き方、握り方といった癖が現われることに注目し、加速度信号センサーからの信号とあらかじめ登録したユーザー本人の動作パターンを比較することで認証を行う。
今回開発された認識技術は、人間が自然に行う行為から認証するため自然に操作できるのが特徴。また、指紋や顔を使った生体情報は一度盗み取られると再利用できないが、腕振り認証は動作パターンの再登録が可能なため、何度でも使うことができる。ただし、ユーザーが常に同じ腕振り動作をするとは限らないため、最新の動作パターンへ修正する機能を設けて対応しているという。
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実用化されれば、携帯電話を振るだけで端末をロックすることができるほか、メーラーなどのアプリケーションを起動したり操作することが可能になる。本人が振る以外の動きでは認証されないため、新しいユーザインタフェースへの応用も考えられるという。
KDDI研究所は今後、フィールド実験を通して操作性の改善に向けた検討を進め、実際のモバイル環境を考慮した本認証システムの拡張や発展を目指す。
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