スマホ販売急ブレーキの中国、Xiaomiの戦略にも大きな変化:山根康宏の中国携帯最新事情(3/3 ページ)
中国のスマホ販売に急ブレーキがかかった。第1四半期の出荷台数は2013年以来初の前年割れで、各社は一巡した需要への打開策を模索している。中でも急成長を遂げたXiaomiは、販売戦略の急転換を迫られている。
IDCの調査による出荷台数を見てみると、2015年第1四半期のスマートフォン全出荷台数は1790万台、そのうち中国国内数は1350万台で全体の75%だった。1年前の2014年第1四半期は全体が1380万台、国内が950万台で国内市場の割合は約70%。中国市場の成長鈍化に早くから気が付いていたXiaomiはm2014年から海外展開を急ピッチで進めているが、この1年の伸びを見ると未だに中国市場頼りであることがわかる。
中国市場に匹敵するだけの数を出せるのはインドとインドネシア程度だろう。他の国での展開も強化してはいるが、一度にボリュームを出していくにはこの2カ国を重点的に攻める必要がある。一方でブランド力を高める市場として、香港、シンガポール、台湾などアジアでも所得の高い国に進出したが、上位モデルの販売は思わしくない。米国や欧州、そして日本など先進国への本格展開は、この現状からすると全くあり得ないだろう。
インドでは、限定販売されたXiaomiのスマートフォンが数秒で売り切れるなど、新興国では確かに人気になっている。だがインドやインドネシア市場も地場メーカーの力は強く、Samsungもまだまだシェア上位に位置しており、Xiaomiがそれらの牙城を崩すまでには至っていない。スマートフォンだけでは規模拡大が難しいことからXiaomiは今、TVや空気清浄機、小型カメラなどスマートホーム、IoT、ウェアラブル、関連の周辺機器の製品の拡充も急いでいるが、これらの製品もすでに他社が手掛けていることから、どこまで売り上げを伸ばすことができるか先行きは不透明だ。
低価格・高コストパフォーマンスでXiaomiの製品が売れたのは、他社に先駆けて新製品を投入して来たからだ。しかし今や他社も同じスペック・価格の製品を出しており、台ASUSのようなPCメーカーも低価格スマートフォンを次々に出している。Xiaomiが今後市場で存在感を高めていくためには、価格ではなくブランドで勝負できる製品を出していく必要があるだろう。
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