これぞ伝統的MacBookの集大成――新型MacBook Pro(Touch Barなし) 13型 ファーストルック(2/2 ページ)
新型のMacBook Proは、フルモデルチェンジに恥じないものになっている。今回、発表されたばかりのMacBook Pro 13型(Touch Barなし)を借りていち早く試す機会を得た。まずはファーストインプレッションをお届けしたい。
軽く浅いが押しやすい第2世代バタフライキーボード
そしてもう1つ、新型MacBook Proで大きな変更点になるのが、第2世代バタフライキーボードの搭載だ。これはキーを支える基部の構造を新たにし、キートップの面積を拡大しながらキーボードの厚みを削減するというものだ。
バタフライ型のキーボードはMacBook 12型モデルから採用された技術だが、キーボード自体と基部を薄型化した結果、これまでMacBook AirやMacBook Proで搭載されてきたキーボードよりも、キータッチがずいぶんと変わってしまった。一言でいえば、キーの押し込みに対してストロークが浅く、底付き感が出てしまうのだ。これはキーボードを強めにたたく人ほど顕著に感じる違いである。筆者は第1世代のバタフライ型キーボードが搭載されたMacBookを所有しているが、確かに当初は浅さを感じるキータッチに当惑したものだ。
それでは新型MacBook Proに搭載された第2世代バタフライ型キーボードのキータッチはどうかというと、これもまたストロークは浅く、キータッチは軽めだ。しかし、第1世代に比べるとキーを押した時のクリック感ははっきりと感じるようになっている。これまでのMacBook ProやMacBook Airを使っていた人は当初は慣れない思いをするだろうが、初代MacBookの時ほど違和感を長く覚えずに済むはずだ。新しい広めのキートップを意識して、キーボードをたたくようにではなく、やさしくなでるようにタイプするようにすると、第2世代のバタフライ型キーボードは使いやすく感じるだろう。
他方で、大型化したトラックパッドについては、「使いやすくて快適」の一言に尽きる。トラックパッドが広くても、どこを押しても均一のクリック感があり、ドラッグ&ドロップなどの操作はとてもしやすい。少しの時間だがこの新しいトラックパッドを使ってみて、「これならもう、PowerPointやExcelを使う時にもマウスはいらないな」と感じた。そのくらい広いトラックパッドは使いやすい。
MacBook Air 13型からの乗り換え、最有力候補
正直に白状すれば、「今回の新型MacBook Proを買うならば、Touch Bar付きのモデルを買わなければもったいない」と筆者は考えている。そのくらいTouch Barは革新的で、すばらしいユーザー体験をもたらすものだ。
しかし、ノートPCの購入には、人それぞれの条件や事情がある。いまMacBook Air 13型を使っている人で、性能にもコストパフォーマンスにも妥協することなく、実用的なMacBookが欲しいという人も少なくないだろう。そのような人にとって、MacBook Pro 13型のTouch Barなしのモデルは最有力の候補になる。サイズ的にはMacBook Airとほとんど変わらず、性能は大幅に向上し、何よりも待望のRetinaディスプレイが搭載されている。CPUもインテルのCore i5/i7から選べるので、パフォーマンス的にも十分だ。
また、今はまだMacを使っていないiPhoneユーザーで、これから新しくMacBookを使い始めたい人にも、このプレーンなMacBook Pro 13型は選びやすい選択肢だろう。Touch Barの先進性こそないものの、十分に高性能であり、Thunderbolt 3など次世代のインタフェースを搭載しているので長く使い続けることができるからだ。
Touch Barの搭載されていないMacBook Proは、すぐにでも店頭で確認して気に入れば購入も可能だ。気になる人はいちどチェックしてみることをお勧めしたい。
新型MacBook Proは、Airに比べて大人な雰囲気。しかし、その基本性能の高さと、MacBook Proシリーズで最小・最軽量でバッテリーが持つ点は、MacBook Airユーザーの乗り換え先としても検討に値するだろう
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