2年ぶりのフルモデルチェンジ、「Infinity Display」に込めた思い 開発陣に聞く「Galaxy S8/S8+」(3/3 ページ)
日本への投入も期待されるSamsungの新型スマートフォン「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」。同社が「Infinity Display」と呼ぶ、18.5:9の縦長ディスプレイが目を引く。2年ぶりのフルモデルチェンジを果たした本機の開発秘話をSamsung担当者に聞いた。
スマートフォンの新たな使い方を提案する「Dex Station」
―― ディスプレイにつなげるとPC風になる「Dex Station」ですが、これは、どのようなコンセプトで、どういったユーザーを想定しているのでしょうか。
キム氏 市場調査の結果、さまざまな方が複数の端末を持っていることが分かりました。1人が、PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなマシンを持っています。これを作ることで、それらを1つ減らせないかと考えました。
―― これはS8、S8+のチップセット性能が上がったからできたことなのでしょうか。
キム氏 はい。10nmのチップセットを搭載していますが、それによって実現しています。
―― 作業中、通知が頻繁にあると集中できないことがありますが、切ることはできますか。
キム氏 現在のバージョンでは、それができませんが、市場にそういう要望がありました。次のソフトウェアアップデートで適用する予定です。
―― Windowsのデスクトップ風に見えますが、ファイルやフォルダを置けません。
キム氏 (アプリで作ったファイルへの)ショートカットは、出しておくことができます。ただ、B2Bだと、必ずWindowsアプリを使いたいというお客さまもいます。(Microsoftには)仮想デスクトップインフラストラクチャという機能がありますが、それを実装することで、リモートからWindowsを起動できます。これは、フルスクリーンモードでも起動します。
―― 端末から直接ディスプレイにつなぐことはできないのでしょうか。
キム氏 技術的な制約により、Dex Stationを使用することで実現した機能です。理由としては、さまざまなポートを使用しなければならないからです。先ほど挙げた仮想デスクトップインフラストラクチャなどは、パケットの消費も大きいため、有線LAN端子も付いています。また、Dex Stationにはファンもあり、端末を冷却しながら利用できます。
―― 大画面に出力してPCのように使うという機能は、MotorolaやMicrosoftが挑戦してきましたが、うまくいきませんでした。勝算はありますか。
キム氏 コンセプトをよく磨き、タイミングもいいと思っています。S8、S8+は端末のチップセットがとても優れていて、Androidも7.0からマルチウィンドウに対応しています。ですから、今はいいタイミングだと思っています。
―― 端末の販売数に対して、どのくらいの添付率でしょうか。また、なぜ端末に同梱しなかったのでしょうか。
キム氏 (グローバルで)発売したばかりなので詳しい数字は、まだ集計できていません。(同梱していないのは)必要な方もいますし、そうでない方もいるので、基本的には別売りのアクセサリーという扱いです。ただし、韓国では、S8+の128GB版を予約した方に、Dex Stationをプレゼントしています。
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