「+メッセージ」を使わない理由、使う理由
SMSを拡張した「+メッセージ」を3キャリアが発表しました。しかし、世の中にはさまざまなメッセージサービスが存在します。+メッセージはどんなシーンで使われるのでしょうか。
3キャリアが「+メッセージ」を発表しました。SMSを拡張したサービスで、電話番号だけでやりとりできる便利さはそのままに、文字数が全角2730文字までに増え、画像、動画、現在地情報なども送れるようになりました。メッセージ画面にはLINEのようにチャット風のフキダシが表示され、スタンプの利用やグループでのやりとりも可能です。
しかし、世の中には既にキャリアメール、LINE、iPhoneのiMessage、FacebookのMessengerなど、さまざまなメッセージサービスがあります。ネット上では「LINEがあるから、使わないよ」といった声も多く見られます。+メッセージはどんなシーンで使われるのでしょうか。
自分に照らし合わせて考えてみます。私のメイン端末はiPhoneなので、妻や友人など一部のiPhoneユーザーとはiMessageでやりとりしています。母親はフィーチャーフォン(ガラケー)を使っているので、キャリアメールを使っています。親戚や別の友人とはLINE、仕事仲間とはMessangerでやりとりしています。これらの連絡手段を+メッセージに変える可能性は極めて低そうです。
iMessageは+メッセージとほぼ同じことができますし、わざわざ+メッセージアプリをインストールするかというと、微妙です。あと、妻はY!mobileユーザーなので、そもそも(まだ)+メッセージを使えません。母親のフィーチャーフォンも+メッセージに対応していないので無理。既にLINEでつながっている人についても、わざわざ連絡手段を変えることはないでしょう。仕事仲間とのMessengerはPCで文字を打つことが多いので、PCを使えない+メッセージは選択肢に入りません。
あれ? じゃあ+メッセージは誰と使うんだろう……と考えたときに思い浮かんだのが、仕事関係の知り合いで、電話番号だけを知っている人の場合です。当日の往訪に遅れそうなとき、緊急で確認したいことがあるとき、SMSを使うことはあります。+メッセージなら現在地を簡単に送ったり、ある程度長い文字を送ったりできるので便利です(SMSは、同キャリアあてなら全角670文字まで送れるが、他キャリアあては全角70文字まで)。
また、これから知り合う人についても、LINEやMessengerで必要な友だち承認の手間を掛けずに送れる+メッセージの方が使いやすい、と感じるかもしれません。
周囲に聞くと、「LINEでつながっていない人にはSMSを送る」「ガラケーの親にはSMSを送る」という話が出ました。ただ、従来型のガラケー(iモード端末など)は+メッセージに対応しないため、これまでと同じくSMSを使うことになりますが……。また、「SMSだと1通あたり料金がかかり、文字数が増えるほど高くなる(3円~30円)から、データ通信で送れる+メッセージの方がお得かも」という意見も。確かにSMSをたくさん使う人ほど、+メッセージで料金を節約できそうです。
もう1つ期待したいのは「MVNOへの解放」です。MVNO(格安SIM)ユーザーはキャリアメールを使えませんが、+メッセージが使えるようになれば、そのデメリットの解消につながるはずです。「キャリアメールが使えないからMVNOには行けない」という人の心も動くのではないでしょうか。フィーチャーフォン(Androidベース)や海外での利用も「対応予定」とのことですが、より多くの人が、多くのシーンで使えるよう拡張してほしいところです。
※この記事はメールマガジン「ITmedia デジタルライフスタイル通信」から転載、加筆したものです。購読申込はこちら。
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