OPPOはなぜ矢継ぎ早に日本でSIMフリースマホを投入するのか? トウ代表に聞く:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(3/3 ページ)
2018年に「R11s」で日本市場に参入したOPPO。11月にはハイエンドモデルの「Find X」を、そしてUQ mobile向けに「R17 Neo」を投入した。新規参入のメーカーとして、この発売ラッシュは異例のことだ。OPPOは日本市場をどう攻略しようとしているのか。
体重が何キロも落ちるほど大変だった
―― メーカーによってはスマートフォンの次として、ウェアラブルなどに力を入れているところもあります。また、タブレットを開発しているメーカーも少なくありません。OPPOのようにスマートフォン専業は珍しいと思いますが、派生製品は出されないのでしょうか。5Gになると、スマートフォン以外の端末も広がっていくといわれています。
トウ氏 業種の選択には内部でも議論があり、外部からのアドバイスもいただいていますが、原則があります。それは、1つのジャンルに集中しているからこそ、よい商品とサービスが提供できるということです。ビジネス展開を広げすぎてつぶれてしまうパターンも、よくあることですからね。
5Gは確かに新しいビジネスをもたらしますし、OPPOの研究開発はスマートフォンメーカーのレベルを超えているという認識もあります。実際、特許に関してはわれわれも積極的に準備し、申請を行っています。(ビジネスとして)運用できる領域は超えていますが、これは逆に、技術に強みを持っている証拠です。
そういった前提があるので、新しい商品を展開する能力はあると思います。ただし、「単にもうかるからタブレットをやってみる」といった理由で市場を選ぶことはしません。技術をしっかり積み上げなければ、その市場に進出することはないでしょう。
―― もうすぐ参入から1年がたちます。この1年を振り返ってみて、いかがでしたか。日本は物流を含めた商習慣も特殊だと聞きますが、やはり大変でしたでしょうか。
トウ氏 確かに、私の体重は何キロも落ちました(笑)。ただ、大変ですが面白いとも感じています。まったく異なる市場に挑戦することで、たくさんの勉強ができました。これは、業界に対する理解が進んだこともそうですし、クライアントやユーザーのフィードバックもいい勉強になっています。日々進歩ができていると感じています。
取材を終えて:チャレンジャーとしての印象が強く残った
矢継ぎ早に端末を投入しているOPPOだが、それぞれの役割は明確だと感じた。販売台数は限定的になってしまうかもしれないが、ユーザーにインパクトを与え、OPPOという名前を覚えてもらうためには、Find XやR15 Proの投入は必須だったといえる。チャレンジャーとしての印象は、ユーザーだけでなく、端末を採用するキャリア側の記憶にも残ったはずだ。
今後、分離プランが浸透してくれば、ユーザーが端末を選ぶ際に重視する要素も変わってくる。少なくとも、今以上に“価格”はキーになっていくだろう。現時点では採算度外視のように見えるが、この投資が今後、じわじわと効いてくる可能性はありそうだ。もちろん、その前提には、魅力ある端末を開発することは欠かせない。その意味で、トウ氏 が語っていた2019年のスマートフォンにも期待しておきたい。
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