小規模サービス業・小売業の7割以上がキャッシュレス決済を導入済み
ラクーンコマースは、7月10日にキャッシュレス決済の導入に関するインターネット調査の結果を発表した。7割以上がキャッシュレス決済を導入しており、導入数が最も多い決済方式はクレジットカードの9割。売上比率は10%未満が約5割と導入効果を特に感じておらず、決済手数料での利益減少や資金繰りに対する不安も多い。
ラクーンコマースは、7月10日にキャッシュレス決済の導入に関するインターネット調査の結果を発表した。対象は同社が運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」の会員小売店を含む事業者で、有効回答者数は526人。調査期間は6月10日~6月20日。
キャッシュレス決済を導入している事業者は7割を超え、最も多く導入されているのは「クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、AMEXなど)」の87%。次いで「QRコード決済(PayPay、LINEペイ、メルペイ、楽天ペイ、d払いなど)」が69%、「電子マネー(Suica、Edy、iD、QUICPay、nanaco、WAONなど)」が36%となる。
キャッシュレス決済を導入済みの事業者のうち、70%が複数の決済方法を併用。その全てがクレジットカードを導入し、その上で他の決済方法も追加していく動きが主流になっている。一方QRコード決済のみを導入する事業者も13%おり、一連のキャンペーンなどを通して小規模事業者への普及が進んだと同社は推測する。
キャッシュレス決済が売上全体に占める割合で最多だったのは「10%未満」で約半数。「関東圏」「都市部」で利用が集中するというような地域格差も見られず、全国的に売り上げへの影響はあまり大きくないことが分かった。
キャッシュレス決済による売り上げ金額がそこまで大きくない、導入したものの利用者がまだ少ない状況から「特に効果は感じていない」という回答が半数を占める結果となった。しかし、売り上げ比率は低くても「販売の機会損失の減少」や「客単価の上昇」といった複数の効果を実感している事業者もいるため、今後利用者が増えればさらなる効果が期待できる、としている。
キャッシュレス決済を導入しない理由は、取り扱う商品や事業内容から「キャッシュレス決済は必要ない」、顧客から要望がない、客層として年配の方が多くキャッシュレス決済を知らないなど「ニーズがない」ことを理由に見送る業者が多い。また、「決済手数料が高い」「初期導入コストがかかる」「手続きが煩雑」なども理由となっている。
自由記述では、キャッシュレス決済に関して「手数料を支払うことで利益が減少するので歓迎していない」「売上金の入金サイクルによっては現金化が遅れるため資金繰りが苦しくなるのではないか」など不安視する声が多く集まった。また、ポイント還元に関しては「購買につながると期待している」との声がある一方で、「仕組みが理解できていない」「レジで混乱が起こりそう」「ポイント還元の説明をお店でするのは面倒」といった回答もある。
関連記事
コード決済の認知は84.8%、利用経験上位は「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」
MMD研究所は、7月10日に「2019年7月 QRコード決済利用動向調査」の結果を発表した。QRコード決済の認知は84.8%、内容理解は47.6%で、現在も利用しているのは15.6%。利用経験は「PayPay」がトップとなり、次いで「LINE Pay」「楽天ペイ」が上位に。消費者はどれだけキャッシュレスに賛成? 店舗のコード決済導入率は?
MMD研究所は、3月27日に「2019年1月 消費者/個人店経営者から見るキャッシュレス意識調査」レポート結果を公開。店舗側に導入しているキャッシュレス決済は「クレジットカード/デビットカード」が70.8%、「QRコード決済」が30.8%。キャッシュレス化の促進について消費者の57.7%が「賛成」と答えている。使いたいコード決済1位は「PayPay」 働く女性の意識調査
ソフトブレーン・フィールドは、2月12日に「《働く女性》キャッシュレス決済に関する意識調査」の結果について発表。QRコード決済を「実際に利用したことがある」は17.5%、「実際には利用していないが、今後利用してみたい」は32.9%に。利用してみたいQRコード決済は「PayPay」が最多で「LINE Pay」「楽天ペイ」と続いた。コード決済と非接触決済の満足度はどちらが高い? ICT総研が調査
ICT総研は、1月7日に「2019年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」の結果を発表した。小額決済での電子マネー利用者は9.2%、スマホのQRコード決済利用者は4.1%となり、比較的高額な買い物ではさらにキャッシュレス決済の利用は減少。よく利用する電子マネーは「Suica」、QRコード決済は「楽天ペイ」となった。コード決済は「不正利用が怖い」 キャッシュレスに関する調査
リエールファクトリーは、1月7日にキャッシュレスに関するアンケートの調査結果を発表した。普段の支払いでは97%が「現金」を使用している一方、全体の10%ほどがコード決済の「楽天ペイ」「PayPay」「LINE Pay」を利用している。コード決済に対する印象は「不正利用が怖い」が最も多く、次いで「使えるお店がわからない」となった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.