“10倍ハイブリッドズーム”の定義にもやもやするが、超広角と望遠の撮影が楽しい「Reno 10x Zoom」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)
10倍ズームカメラを搭載したOPPOのスマートフォン「Reno 10x Zoom」(リノ10倍ズーム)が発売された。10倍ハイブリッドズームとは何か、どのくらい実用的なのか。そもそも何で「ハイブリッドズーム」なのか。10倍の定義を考えつつ、いろいろ試してみた。
とうとう出た、10倍ハイブリッドズームカメラを搭載したOPPOのスマートフォン「Reno 10x Zoom」(リノ10倍ズーム)。10倍ハイブリッドズームとは何か、どのくらい実用的なのか。そもそも何で「ハイブリッドズーム」なのか。
ちょっとややこしいので、とにかくそこをチェックしたい。
Reno 10x Zoomは10倍なのかそうじゃないのか
カメラは3連。端から順に、メインカメラ、超広角カメラ、望遠カメラとなっている。以下の発表会での図が分かりやすいのでそのまま引用したい。
望遠カメラだけ四角いのは、特殊な構造のレンズを使っているからだ。レンズは望遠になればなるほど奥行きが必要になるけど、かといってスマートフォンから出っ張らせるのはよくない。
そこで、プリズムを入れて光を直角に曲げ、横向きにレンズを入れているのだ。これをカメラの世界では「屈曲光学系」と呼んでいる。最初に採用したのがミノルタ(当時)の「Dimage X」だ(2002年発売)。
最近、スマートフォンの世界では「ペリスコープ型」と呼ぶことが多いが、ペリスコープ、つまり潜望鏡は2回プリズムで光軸を90度曲げているわけで、潜望鏡と言うにはちょっとアレかなと思うけど、屈曲光学系よりは潜望鏡の方が分かりやすいといえば分かりやすい。
横向きにレンズを入れることで奥行きを確保しているのだ。ではこの3つのカメラを具体的な数値で見よう。分かりやすいように表にしてみた。焦点距離は35mm判換算でのものだ。
こんな感じで、超広角から望遠までまかなってくれる万能カメラなのである。細かいややこしい話は不要、という方はこの項は読み飛ばしてOK。「ん?」と思った人は次をどうぞ。
16mm相当、26mm相当、130mm相当の3つのカメラを持っていて、16~130mm……えっと、10x Zoomって名前が付いているけど「光学10倍」にはなってなくない?
そうなのである。メインカメラを「1x」と考えると、超広角カメラは約「0.6x」、望遠カメラは「5x」となる。超広角カメラを「1x」と考えれば、望遠カメラは約「9x」だ。10倍にちょっと足りない。
どうなっているんだ? そんなもやもやを抱えつつ使ってみよう。
例によって、ガスタンクで撮ってみる。他のスマートフォンと同様にカメラアプリの「1x」や「2x」と書いてあるところをタップすると、ステップズーム的に「倍率が順繰りに切り替わっていく」方式だ。その途中を使いたいときは、倍率表示部を左右どちらかにドラッグする。
でもまあ普通は、タップして切り替えるよね。その方が楽だし。
すると、「1x」→「2x」→「6x」→「10x」と変化するのだ。そのあとで「超広角」(アイコンで表示される)になる。5段階あるのである。
「1x」は分かる。26mm相当のメインカメラである。4800万画素という高画素のセンサーだが、そこから1200万画素相当の画像を作り出す。
「2x」も分かる。望遠カメラがメインカメラに対して「5x」のズームだけど、他社の望遠カメラ(iPhone X系やGalaxy S10やXperia 1など)と同じ52mm相当の画角は、やはり抑えておきたいよねってことで、メインカメラのデジタル2倍ズームを「2x」として入れたのはよい。
画素数に余裕があるので、「2x」くらいのデジタルズームならびくともしないし。
問題は次。望遠カメラはメインカメラに対して「5x」の望遠なのだから次は「5x」かと思いきや、「6x」になるのだ。
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