楽天モバイルの新料金プランは「1GBまで0円」で成り立つのか? 楽天の河野CMOに聞く(2/2 ページ)
ワンプランを維持しつつ、段階制を導入することで、低容量や中容量のユーザーに対する値下げに踏み切った楽天モバイル。同社の「UN-LIMIT VI」は、月額2980円でデータ容量が使い放題になる特徴はそのままに、一定容量以下の場合、自動的に料金が安くなる。1GB以下なら0円で済む。なぜ楽天モバイルは、このような新料金プランを導入したのか。
Rakuten LinkのPC版は「準備が整い次第、お知らせする」
―― UN-LIMIT VIでは、20GB以下が1980円になります。こちらは、ahamoやpovo、SoftBank on LINEを意識した価格設定ということでしょうか。
河野氏 いろいろなところで比較される方もいるので、そういう方々にとっても十分な料金を提示したと思っています。一方で、本当に5Gの時代が来ると、そこが重要なポイントなのか? という気持ちはあります。私たちは、最初からお出ししていますが、やはり無制限が重要だと思っています。
―― ちなみに、Rakuten LinkのPC版がまだ出ていません。
河野氏 正直にお伝えすると、予定は去年(2020年)でしたが、変わってしまいました。準備が整い次第、改めてユーザーの皆さまにはお伝えしていきたいと思います。ちなみに、実際使われていかがですか。
―― 音質面は特に問題ない印象ですが、着信しないことがありました。
河野氏 そういった声が挙がっているのは確認しています。Rakuten Linkは何よりクオリティーが重要なので、きっちりした体制を組み、毎日ユーザーの声を1つ1つチェックしています。Rakuten Linkについては、一番重要なのはクオリティーの改善だと理解しているので、しっかりやっていきたいと思います。
取材を終えて:楽天のエコシステムがあるからこそできる芸当
河野氏の話を聞くと、1GBで0円という料金は、楽天のエコシステムがあるからこそできる設定であることが分かる。SPUのためだけに取りあえず契約するユーザーが増えるのも、想定の上で投入しているようだ。確かに、全く利用しないユーザーがいても、ポイント目当てに楽天市場を使えば、グループ全体ではプラスになる。むしろ、通信のキャパシティーを圧迫しない分、優良顧客ともいえるかもしれない。
一方で、楽天モバイル単体で利益を出していくには、やはりある程度、通信を使ってもらう必要がある。データ通信が無制限のプランが2980円と安いのは、同社の武器で、5G時代にもフィットしている。ただしそれは、エリアが十分広く、通信速度がしっかり出ていることが前提。4Gは急ピッチで人口カバー率を伸ばしているが、それに加え、5Gのエリア拡大も急務といえそうだ。
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