なぜSIMフリーでFeliCaを搭載? Xiaomiスティーブン・ワン氏に聞く「Mi 11 Lite 5G」開発秘話(2/2 ページ)
Xiaomiが発売する「Mi 11 Lite 5G」は、SIMロックフリーながらFeliCa(おサイフケータイ)に対応する。本機を日本投入する背景を、スティーブン・ワン氏に聞いた。FeliCaを搭載するにあたり、特に苦労したのが「本体の薄さ」だったという。
Mi 11 Lite 5GはSIMフリー市場に適した端末
―― 日本市場での目標はあるのでしょうか。
ワン氏 まだ公表する段階ではありませんが、昨年と比べ、迅速に動いています。消費者の皆さまからも好評を博しています。日本は開発に時間がかかるマーケットですが、迅速に動き、販売チャネルのサポートも強化しています。また、FeliCaを代表としたテクノロジーの導入も進めています。われわれが目指している目標は大きく2つで、1つがよりローカライズされた製品を提供し、日本の皆さまによりフィットさせていくことです。
もう1つが、日本の皆さまにXiaomiというブランドをよりよく知っていただくことです。Xiaomiという名前を聞けば、最良の製品を最良の価格で提供するブランドだと認知されるようにしていきたいと考えています。
―― Mi 11 Lite 5GはSIMフリーモデルですが、1世代前のMi 10 Lite 5GはKDDIから出ました。キャリア版はないのでしょうか。
ワン氏 Mi 11 Lite 5Gは、SIMフリーマーケットに適した端末だと考えています。SIMカードのみのサービスを利用する消費者の皆さまは、決して安いローエンドの端末を求めているわけではなく、最高のバリューを提供してくれるスマホを求めています。この製品は、まさに毎日SIMフリーのスマホを使っていただいている消費者のためのもので、オープンマーケットに適しています。これまでハイエンド端末をご利用されてきたお客さまや、ローエンドモデルからアップグレードしたいと考えているお客さま、いずれのお客さまにも適した端末です。
取材を終えて:OPPOに宣戦布告、口コミで化ける可能性も
ワン氏の語ったエピソードからは、Mi 11 Lite 5Gがあらかじめ、日本仕様を織り込んだ上で開発されていたことが分かる。グローバル版の仕様を一部変えておサイフケータイを盛り込んだり、日本専用モデルを開発したりするのではなく、あらかじめFeliCaを搭載しながら薄型化することを織り込み、グローバル版の仕様を策定したという。キャリア端末として販売される一部のグローバルモデルも、開発初期の段階からFeliCaの搭載をマストにして仕様を導き出しているが、それと近い手法が取られているというわけだ。
4万3800円のコストパフォーマンスが高い端末にFeliCaを採用したのは、OPPOへの宣戦布告と見ていいだろう。Reno AシリーズはSIMフリーモデルとして大ヒットし、CM効果も相まってOPPOの名を一躍全国区に押し上げたが、Mi 11 Lite 5Gはその最新モデルのRen5 Aに真っ向から対抗する端末だ。もちろん、端末の売れ行きは性能だけで決まるわけではない。テレビCMをはじめとした大規模なプロモーションを展開している分、OPPOが有利なことは事実だが、コストパフォーマンスの比較ではMi 11 Lite 5Gが勝っている点も多い。口コミや販売店でのプッシュがあれば、大化けする端末になるかもしれない。
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