車内ダッシュボードは30分で60度超えの恐れ――携帯市場と電通大が炎天下での「スマホ熱中症」を調査
携帯市場と電気通信大学が、炎天下での車内と屋外を対象とした端末温度に関する実験を実施。車内ダッシュボードでは30分、屋外では20分放置するだけで端末温度が60度を超える恐れがあることが分かった。端末が高温担った場合は電源オフ、急いで冷したい場合には「モバイル扇風機」の利用を推奨している。
携帯市場と電気通信大学の産学連携プロジェクト「スマホバッテリー劣化研究プロジェクト」は8月10日、いわゆる「スマホ熱中症」に関する実験の結果を発表した。
この実験では、外気温が32度を超えた7月17日、19日、24日の3日間において、温度センサーを取り付けた端末で各種温度を調査。車内と屋外の直射日光が当たる場所にスマートフォンを放置した場合を想定して、「スマホ熱中症」とも呼ばれる端末の温度上昇を計測した。
車内ではカーナビ利用想定し、モバイル充電器に接続した状態とした。車体に直射日光が当たる状態で最初の15分はエンジンとエアコンをつけた状態(20度)、その15分後はエンジンを止めて温度差を調査した。計測箇所はダッシュボード、ホルダー(ダッシュボード上)、エアコン吹出口、シート上、シート脇小物入れ。
ダッシュボード(温度センサーのみ)では、実験開始から30分程度で端末の表面温度が60度に到達し、ホルダー上に設置した場合も50度を超えた。エアコン作動時でも場所によっては高温状態になりやすいことを考慮し、車内の利用は直射日光を避け、短時間のみの使用に留めることが望ましいとしている。
屋外では、充電器をつないだスマートフォンと何もせずに放置したスマートフォンを、サーモカメラを利用して20分間測定した。測定終了後、充電したスマートフォンの表面温度は50度を超えており、炎天下の屋外で充電しながらの利用はとくに避けるべきとしている。
さらに、屋外で直射日光を浴びたスマートフォンの冷却を想定し、サーモカメラで測定した表面/裏面の温度が60度を超えた後に日陰で10分間冷却した際の温度比較を行った。電源をオフにして「モバイル扇風機」で空冷した場合は20度、電源オフのみは18度、電源をオンしたままは8度程度の温度低下が見られた。また、空冷した表面は空冷しない場合と比べて数分で温度差が開いている。
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