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「iPhone 13」シリーズを試す 動画撮影が驚くほど楽しく、Proならではの新機能も魅力(3/4 ページ)

「iPhone 13」シリーズの発売に先立ち、4モデルの実機を試すことができた。デザインは先代のiPhone 12シリーズを継承しており、ノッチはやや小さくなった。カメラは新機能の「フォトグラフスタイル」と「シネマティックモード」が利用可能になり、Proは3倍の望遠カメラとマクロ撮影を使えるのが特徴だ。

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Proの望遠カメラは3倍までに進化、ディテールを鮮明に写せるマクロ撮影もProならでは

 Proモデルならではのカメラ機能として挙げておきたいのが、3倍の望遠カメラとマクロ撮影だ。iPhone 12 Proは2倍、iPhone 12 Pro Maxは2.5倍だったが、iPhone 13シリーズでは望遠に対応したProモデルの性能は統一され、どちらも望遠カメラの焦点距離は35mm判換算で77mmになった。3倍の望遠になったことで、より遠くの被写体を狙えることに加え、ポートレート撮影時に活用がしやすくなっている。


13mm相当の超広角

広角カメラは標準で使うカメラで、焦点距離は26mm相当

77mm相当の望遠カメラで撮ると、被写体にググッと寄ることができる

iPhone 13で同じような写真を撮ろうとすると、デジタルズームになり、画質が劣化してしまう

 ただし、レンズがF2.8とやや暗めになったこともあり、ハードウェアとして望遠カメラが選択されるシーンは限定的だ。屋外の明るい場所では望遠カメラに切り替わるが、室内だと、広角カメラのデジタルズームになることが多かった。もともと、iPhoneのカメラは最適な写真が撮れるようにソフトウェアが判断し、デジタルズームとカメラの切り替えを自動で行っている。レンズが暗めになった結果、望遠カメラの出番は少々減ってしまう可能性もありそうだ。

 もう1つのマクロ撮影は、超広角カメラを使って2cmまで寄った接写ができる機能。と言っても、ユーザーインタフェースにマクロモードの切り替えボタンのようなものはなく、被写体に近づいていくとiPhone側がそれを検知し、自動でマクロモードに切り替わる。マクロモードはカメラがハードウェア的に切り替わっているため、一瞬だけ画角が変わり、被写体の位置がズレるため気付きやすい。切り替わりがやや不自然だが、メニューの中からボタンを探して自らタップするより簡単で、撮影がしやすいのはiPhoneならではだ。

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海鮮丼のいくらを接写してみた。マクロ撮影には自動で切り替わる

同じ写真をiPhone 12 Proで撮ろうとしたが、ピントが合わずボケボケになってしまった

 食べ物や草花を接写し、ディテールを写すのは楽しいが、それ以上にマクロ撮影は実用的だ。メルカリなどのフリマアプリに出品することを考えると分かりやすい。商品に傷があることを伝えたり、逆に特徴的なディテールがあったりしたら、文章で書くより、写真で伝えた方が手っ取り早く、誤解も少なくなる。そのような写真をサッと撮れるのは、iPhone 13 Pro/13 Pro Maxの魅力だ。

 ブログなどで製品を紹介するようなケースでも、ディテールのアップを撮りやすいカメラは重宝する。筆者は、取材時にスマートフォンのディテールを撮ることが多いが、こうした場面でも活躍しそうだ。仕事に生かしやすい意味では、まさに“プロ用”。製品名にProを冠するだけに、名前負けしないカメラに仕上げてきた印象だ。

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