「iPhone 13」シリーズを試す 動画撮影が驚くほど楽しく、Proならではの新機能も魅力(4/4 ページ)
「iPhone 13」シリーズの発売に先立ち、4モデルの実機を試すことができた。デザインは先代のiPhone 12シリーズを継承しており、ノッチはやや小さくなった。カメラは新機能の「フォトグラフスタイル」と「シネマティックモード」が利用可能になり、Proは3倍の望遠カメラとマクロ撮影を使えるのが特徴だ。
先代から底上げされたパフォーマンス、Proは最大120Hzの「ProMotion」にも対応
こうしたカメラ機能の多くは、センサーやレンズだけでなく、A15 Bionicの処理能力で実現したものだ。ベンチマークを見ても、性能は先代の「A14 Bionic」から底上げされていることが分かる。ちなみに、iPhone 13シリーズのA15 Bionicは、無印モデルとProモデルでGPUのコア数が異なっている。前者は4コア、後者は5コアで、その分だけProモデルの方が処理能力は高い。実際、Geekbench 5のMetalスコアにも、その差が反映されている。
加えてProモデル2機種のディスプレイは、最大120Hzの「ProMotion」にも対応している。正直なところ、iOS 15はユーザーインタフェースのアニメーションが滑らかになっていることもあり、普通に操作しているだけだと対応モデルと非対応モデルの違いがほとんど分からないが、ゲームなどの滑らかさを重視するコンテンツを利用するユーザーには重要かもしれない。
また、ProMotionは表示している映像に応じて、10Hzから120Hzの間でフレームレートが可変する。1秒間に画面を書き換える回数が減れば、その分バッテリーの消費を抑えられる。ProMotionは、滑らかさを体感しづらいユーザーにとっても恩恵がある機能というわけだ。ただし、試用期間中は撮影などをこなさなければならず、普段使いができていない。そのため、バッテリーの持ちがよくなったかどうかまでは断言できないことは付け加えておきたい。
動画やカメラに多数の新機能が加わり、処理能力も向上したiPhone 13シリーズは、今、選ぶなら最良の端末といえる。カメラのスペックはProモデルの方が上だが、画質の違いはあまり気にする必要はない。どちらも、シャッターを切るだけでキレイに撮れるし、シネマティックモードにも対応している。GPUのコア数は異なるが、処理能力の違いも小さい。基本的には望遠カメラやマクロ撮影の有無と、デザイン、サイズ感、重量などの違いを意識しておけばいいだろう。
スマートフォンでコンピュテーショナルフォトグラフィーが台頭して以降、ある程度カメラ機能に優れた端末で撮影すれば、誰でもそれなりにキレイな写真が撮れるようになった。拡大して見ても、なかなか違いが分からないという人もいるはずだ。一方で、動画機能にはまだまだ差がある。Dolby Visionに対応したiPhone 12シリーズも、仕上がる動画の美しさに驚きがあったが、シネマティックモードの効果はそれ以上にインパクトが大きく、動画を撮影してみようという気にさせてくれる。半導体を自社設計しているAppleの強みを生かした差別化戦略で、新たな競争軸を打ち出そうとしている意欲も感じる。ぜひ手に取って、その実力を確かめてみてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
iPhone 13/13 Proのカメラは何が変わった? 「ハード」と「ソフト」の進化まとめ
iPhone 13シリーズで進化を遂げたカメラについて、ハードウェアとソフトウェアの視点からまとめてみる。iPhone 13 Proは超広角カメラにAFが付いて、マクロ撮影が可能になった。コンピュテーショナルフォトグラフィーで注目したいのが、撮影後にボケ具合やフォーカスを選べる「シネマティックモード」だ。
「iPhone 13」シリーズは何が進化した? iPhone 12シリーズとスペックを比較する
発表されたばかりの「iPhone 13」シリーズと、先代の「iPhone 12」シリーズを比較。デザインや形状は変わっていないが、ノッチが小さくなった。プロセッサがA15 Bionicに進化し、カメラはProではマクロ撮影が可能になった。
「iPhone 13」と「iPhone 13 Pro」の大きな違いは? 4機種のスペックを比較する
「iPhone 13」「iPhone 13 mini」「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」の4機種は何が違うのか。13と13 Proはディスプレイやカメラに差がある。iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは、サイズ以外の違いがほぼなくなった。
「iPhone 13シリーズ」は販路で値段が違う? Apple直販+4キャリアの販売価格を比べてみよう
9月24日に発売する「iPhone 13シリーズ」の販売価格が一通り出そろいました。販路によって選べる買い方をチェックしつつ、その値段について比較してみましょう。
リセールバリューの高いiPhoneがお得に “残価設定プログラム”で変わるスマホの買い方
9月24日に販売が始まるiPhone 13シリーズの予約開始に先立ち、大手キャリア各社が新たな販売方法を導入している。ドコモは約2年半前に導入した「スマホおかえしプログラム」を刷新して「いつでもカエドキプログラム」を導入。今まで以上に端末の“リセールバリュー”を意識した買い方が求められるようになってくる。





