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KDDI、「Beyond 5G/6G」に向けた処理速度138Gbpsの暗号アルゴリズムを開発
KDDIが兵庫県立大学院情報化学研究科と協力し、「Beyond 5G/6G」に向けた暗号アルゴリズムを開発した。処理速度は138Gbpsを記録し、米標準暗号アルゴリズム「AES」の4.5倍の速度を達成したという。
KDDI総合研究所と兵庫県立大学院情報化学研究科の研究グループは、5G通信の次世代「Beyond 5G/6G」へ向けた共通鍵型の暗号アルゴリズム「Rocca」を開発した。256ビットの暗号で、インテル Core i7-1068NG7での処理速度は138Gbpsだという。
RoccaはPCやスマートフォンのCPUで処理できる演算を主な構成要素として並列に処理することで高速性を実現している。米国の標準暗号アルゴリズム「AES」との速度比較では、どちらも高速な演算命令の「AES-NI」を使用した場合でAESが31Gbpsだった。結果としてAESの4.5倍の処理速度を達成したという。
KDDIは5Gの次世代を担う移動通信システム「Beyond 5G/6G」のコンセプトを3月に公開している。今回のRocca開発で目指した要件は以下の3点だ。
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- 通信速度のボトルネックとならない100Gbps超の処理速度を実現する
- 量子計算機による解読への耐性を持たせるため、256ビットの鍵長をサポートする
- 暗号化と認証機能を統合しデータが改ざんされていないことも保証可能なアルゴリズム(認証付き暗号)とする
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