4~5年は使えるスペック ドコモから京セラ製「あんしんスマホ」が登場した理由(1/3 ページ)
ドコモが2022年2月以降に発売予定のシニア向けスマホ「あんしんスマホ KY-51B」。現在販売されている「らくらくスマートフォン」と比較されやすい端末だが、どんなコンセプトで企画、開発されたのか。
10月上旬にドコモの2020-2021年冬春の新商品が発表された。その中で注目されたのが、京セラが初めてドコモ向けに提供する5Gスマートフォン「あんしんスマホ KY-51B」だ。従来のシニア向けスマホ「らくらくスマートフォン」の新製品と合わせて発表されたため何かと比較されているが、あんしんスマホはどんなコンセプトで企画されたのか。京セラとドコモの担当者から狙いを聞いた。
らくらくスマートフォンを求めないシニア層に向けて
ドコモから2022年2月に発売予定のあんしんスマホは、60歳以上のシニア向け5G対応スマホ。京セラが過去に積み重ねてきたシニア向け端末のノウハウを詰め込んだ製品だ。2026年にドコモは3G停波を控えており、「フィーチャーフォンからの乗り換え需要に対する受け皿」という意図もあると京セラの伊東氏は語る。
らくらくスマートフォンに加えて京セラのあんしんスマホを投入する背景として、ドコモの長沢氏は「シニアの多様化」を挙げた。
「“らくらく”じゃないよねと思っていらっしゃるお客さまがいる一方で、使い方はすごく簡単でシンプルな方がいいという方もいて、いろいろな声をいただいています。私の両親も、母親はらくらくスマートフォンですが、父親は『らくスマ』は持ちたくないと言っています」と、ニーズが多様化している背景を語った。
京セラが提供するものとドコモが求めるものが合致して、今回のあんしんスマホ投入に至ったわけだが、らくらくスマホとの機能的な違いよりも、特にデザインの違いを求めたという印象だ。
3Gフィーチャーフォンからのマイグレーションについては、「順番的には、3Gの停波があるから変えるのではなく、こういう便利なことができるから、こちらを使いたいと思って、4G、 5Gに移行していただきたい」と長沢氏は語っている。
あんしんスマホの特徴は大きく3点ある。1点目は、端末下部に電話、ホーム、メールのハードウェアキーが備わっていること。電話やメールが着信するとLEDが光って知らせるため、初めてスマホを操作する人でも直感的に分かる。
2点目は、ホーム画面の右端ページにある「使い方ナビ」。スマホの便利な使い方やトレンドの情報を発信するアプリで、今までスマホを使ったことがない人はもちろん、既にスマホを使っているのにフィーチャーフォンから使い方が変わっていないような人に気付きを与える。また、スマホの基本設定などを画面付きで分かりやすく解説するガイドブックも付く。
3点目は、4800万画素の高画質なカメラ、4500mAhの大容量バッテリーが搭載されていることだ。いつでもきれいな写真が撮れ、1日持ち歩いていても安心の性能を備えている。
ディスプレイは6.1型のフルHD+。おサイフケータイ(NFC/FeliCa)に対応することで、マイナンバー関連の機能や、オンライン&キャッシュレス支払いを可能にするなど、ハードウェアの配慮がされている。メインメモリは4GB、内蔵ストレージは64GBで十分な容量を確保。生体認証は背面に指紋センサーを配置し、インカメラを使った顔認証も可能だ。当然、防水・防塵(じん)、耐衝撃性能もサポートする。
FMラジオも搭載している。通常の通信料がかからないFMラジオでありつつ、FM電波が届かない場所で、かつデータ通信が使える場合は、データ通信を使って聴取できるハイブリッドなFMラジオとなっている。
カラーは、ピンクゴールド、ネイビーという定番の2色展開だ。
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