ドコモの新機種は「コスパ」と「使いやすさ」重視 SIMフリーでも端末企画は継続
NTTドコモが10月6日、2021-2022冬春の新型スマートフォンを発表した。新モデルは全機種が5Gに対応し、ハイスペック、スタンダード、あんしんスマホとらくらくスマホ、そしてレノボのノートPCなど、バラエティー豊かなラインアップとなった。今回は、コストパフォーマンスと使いやすさを重視した。
NTTドコモが10月6日、2021-2022冬春の新型スマートフォンを発表した。新モデルは全機種が5Gに対応し、ハイスペック、スタンダード、あんしんスマホとらくらくスマホ、そしてレノボのノートPCなど、バラエティー豊かなラインアップとなった。
ドコモのAndroidスマートフォンの購入比率を見ると、2019年に比べ、2021年はスタンダードモデルやらくらくスマートフォンを購入する比率が増えているという。これは、2019年10月の電気通信事業法の改正で、端末値引きが制限されたことが影響している。
そこで今回は、コストパフォーマンスを重視する人と、使いやすさにこだわる人に向けたモデルを用意した。前者のコスパについては、ドコモオンラインショップで2万1450円(税込み)という低価格の「arrows We F-51B」を用意する。使いやすさについては、らくらくスマートフォンの新機種に加え、京セラ製の「あんしんスマホ KY-51B」も用意する。なお、京セラがドコモ向けにスマートフォンを投入するのは本機が初となる。
プロダクト部 部長の安部成司氏は「はじめてのスマートフォンでも安心して簡単に利用できるラインアップを充実させた。あらゆるお客さまがドコモの5Gを楽しめるラインアップだ」と自信を見せる。
らくらくスマートフォンと似たようなコンセプトのあんしんスマホを提供する狙いについては、「基本的に高齢の方をターゲットにしているが、あんしんスマホの方が6.1型で大画面(らくらくスマートフォンは5.0型)。大きな画面で見やすくメニューもシンプル」と安部氏は話す。「これまでもフィーチャーフォン、カードケータイで京セラと一緒にやってきており、以前からいろいろな形でディスカッションをしていた」(安部氏)という。その流れで本機の採用が決まったそうだ。
レノボのノートPC「ThinkPad X1 Nano」を扱うのはドコモとしては珍しいが、安部氏はコロナ禍で働き方が大きく変わったことを理由に挙げる。「リモートワークに対応するため、家の中だけでなく、コワーキングスペースで働くこともある。Wi-Fiスポットを利用する人もいれば移動する形でリモートワークをしている人が多い。環境の変化に合わせて5GのPCを提供する」と同氏。また、キャリアがノートPCを扱う意義については「キャリアが対応することで、5Gのネットワークを便利に使っていただきたい。われわれが、PCを一緒に提供していくことが重要だと考えている」と話す。
その5Gネットワークでは、5Gエリアの端で電波品質が悪くなる「パケ止まり」が起きている。ネットワーク部の松岡久司氏によると、これは5Gエリアの拡大期であるゆえ、エリアの端でパケ止まりに遭遇する確率が高くなるという。6月に一度改善したそうだが、その後も発生していることから、5Gの電波品質が悪い場合に4Gと5Gを使う選択をすることで対策。また、基地局配下の端末に割り当てる周波数の幅が広いと、端末の電力が限られることから周波数あたりの電力が低くなるので、ネットワークに電波が届かなくなる。そこで周波数の幅を絞って電力を集中させることで、つながりやすくしているという。これらの対策は10月中旬まで実施しており、「スループットの改善に効果が出ると思う」とのこと。
ドコモ端末は、8月27日以降に発売したものはSIMロックをかけていないので、今回の新機種も全てSIMロックフリーとなる。回線契約がなくてもドコモ端末は購入できるが、その上でキャリアが端末を企画する意義はどこにあるのか。これはThinkPad X1 Nanoと同じく、ドコモのネットワークを快適に使ってもらうために、周波数にも対応させながらメーカーとともに企画しているという。一方で端末のバンドは、国内の他キャリア向けで対応していないものもある。全てのバンドに対応させると「端末コストが相対的に上がっていく」(安部氏)ため、「価格と能力(機能)のバランスを見ながら決定している」とのこと。
eSIMについては、AQUOS sense6やarrows Weは他キャリアではeSIMに対応しているものもあるが、ドコモの新機種はいずれもeSIMには対応していない。安部氏は「eSIMの登録、操作するところがご不便なので、そういったところを改善しながら提供を検討していく」と述べるにとどめた。
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