ドコモのスマートフォンを振り返る 日本最初のXperiaとGalaxyから独自モデルまで:ITmedia Mobile 20周年特別企画(1/4 ページ)
ITmedia Mobile 20周年を記念したケータイ史を振り返る企画。今回はドコモのスマートフォンを振り返る。「フィーチャーフォンはすでにスマホだ」という意見もありながら、2005年に登場したMotorola「M1000」から現代のスマホまでを振り返る。
ITmedia Mobile 20周年を記念し、フィーチャーフォンを中心に大手3キャリアの端末を振り返ってきた。今回からスマートフォンを取り上げる。最初はドコモのスマートフォンだ。
そもそもスマートフォンとは何かということを考えると、日本ははっきりとした線引きが難しい。折りたたみスタイルのフィーチャーフォンでも、メールのやりとりやPC向けサイトの表示が可能で、ゲームや地図などのアプリが使えたからだ。スマートフォンが登場した頃には、フィーチャーフォンでもWi-FiやBluetoothに対応したモデルがあり、フィーチャーフォンは既にスマートフォンであるという意見は当時からあった。
それでも、現在のスマホのように、大型ディスプレイを搭載し、物理キーのプッシュではなくディスプレイのタッチで文字を入力し、Webブラウザやアプリを操作しながらも、端末を耳に当てて通話もするという端末をスマートフォンと考えると、ドコモ初のスマートフォンは2005年登場の「M1000」ということになる。
M1000はモトローラ製の法人向け端末だが、ドコモショップを含む全チャネルで販売され、個人でも購入できた。OSはSymbian OSで、2.9型液晶ディスプレイは感圧式のタッチパネル。メガピクセルカメラ、無線LAN、Bluetoothも搭載していた。「iモード」は非対応だが、POP/IMAPメールを送受信でき、Opera7.5の「フルブラウザ」でPC向けサイトを閲覧できた。当時の記事では「PDAとしてのFOMA」と表現されている。
法人用途をメインとしたスマートフォンは「hTc Z」(2006年)、「F1100」(2008年)が登場したが、2008年冬モデルからはコンシューマー向けのスマートフォンも複数台登場した。従来の90xi、70xiといった型番から、「XX-00X」(メーカー名 - 発売順の通番 年度)という、現在につながる型番ルールが開始され、端末は「PRIME」「STYLE」「SMART」「PRO」の4カテゴリーに分類。スマートフォンはPROシリーズで展開された。
QWERTYキーを搭載したHTC製“Touch Pro”「HT-01A」と、タッチパネル搭載で手のひらサイズの“Touch Diamond”「HT-02A」はWindows Mobileを採用。シャープ製の「SH-04A」は、QWERTYキーとタッチパネルを採用しているが、iモード対応で中身はケータイ、形状がスマホといったモデルだった。また、「BlackBerry Bold」も展開していた。
2009年以降、Androidスマートフォンが続々登場
ドコモ初のAndroidスマホは、2009年夏モデルの“HTC Magic”「HT-03A」だ。GmailやGoogleマップ、YouTubeなどGoogleの各種サービスが利用できた他、「Androidマーケット」(現Google Play)からアプリを購入することもできた。iモードには対応せず、moperaUなどのプロバイダー接続が必要だった。なお、iモードメールをPCでも送受信できるようにする「iモード.net」(2015年にサービス終了)を応用したアプリを使い、iモードメールの送受信や新着通知が可能になった。
2009年度冬春モデルでは、現在Galaxyでおなじみのサムスン電子製の端末がドコモで初めて登場した。そのときのモデルはWindows Mobileの「SC-01B」で、QWERTYキー付きストレートモデルだった。
日本で最初のXperiaは、2010年1月に投入することが発表された。ソニー・エリクソン(現ソニー)初のAndroidスマホ「Xperia X10」として、グローバルで販売されていたモデルがベースの「Xperia SO-01B」だ。4カテゴリーとは別に新たに「ドコモ スマートフォン」カテゴリーが新設され、同年4月に発売された。
Xperia SO-01B。4型フルワイドVGA液晶ディスプレイ、オートフォーカスや顔認識機能を持つ810万画素CMOSカメラを搭載。音楽や動画、写真などをシームレスに扱える「Mediascape」、着信履歴や写真、音楽などの利用履歴、SNSの更新履歴を一元管理でき、パネルで美しく表示する「Timescape」といった独自アプリが搭載されていた
LGエレクトロニクスの「Optimus(オプティマス)」シリーズやサムスン電子のGalaxyシリーズ、Xperiaシリーズのように、先に海外で販売された人気モデルを日本向けにローカライズして投入するケースが多かったが、すぐに日本メーカーもスマートフォンに注力し始める。
2010年の年末以降は、3D液晶ディスプレイを搭載した「LYNX 3D SH-03C」(シャープ製)、FeliCaとワンセグを搭載、防水機能も備えた「REGZA Phone T-01C」(富士通製)、極薄ボディーの「MEDIAS N-04C」(NECカシオモバイルコミュニケーションズ製)など、防水、ワンセグ、おサイフケータイという日本仕様に対応した日本メーカー製のAndroidスマートフォンも数多く出始めた。スマホ向けインターネットサービス「spモード」も開始し、「@docomo.ne.jp」のキャリアメールやデコメールなどの利用が可能になった。
- →Android 2.2、スーパー有機EL搭載――ドコモ、「GALAXY S」を発表
- →おサイフケータイにも対応、3D液晶搭載のAndroid端末「LYNX 3D SH-03C」
- →FeliCaとワンセグを搭載、防水機能も備えたAndroidスマートフォン――「REGZA Phone T-01C」
- →厚さ7.7ミリの極薄ボディにAndroid 2.2、おサイフ、ワンセグ――「MEDIAS N-04C」
スマートフォンの機種数が増え、2011年夏モデルでは春モデルを含めると新機種ラインアップの半分がスマホになった。どのメーカーのスマホを購入しても操作に迷わないように、ドコモ独自のホームアプリ「docomo Palette UI」が提供された他、「iチャネル」をスマートフォン向けに開始するなど、iモードサービスのスマホ対応も進めた。
また、LYNXシリーズを展開してきたシャープが「AQUOS PHONE」ブランドを開始する。2014年には「PHONE」が取り除かれ、ドコモでは「AQUOS ZETA」シリーズを中心に展開され、世界初のIGZO液晶を搭載したモデルも登場する。
2つのカメラを搭載し、3Dの静止画や動画を3D液晶ディスプレイで確認しながら撮影できた「AQUOS PHONE SH-12C」。2つのカメラはともに800万画素CMOSで、現在のデュアルカメラの使い方とは異なり、3D映像を撮るためだった。
2011年には、後に「ELUGA(エルーガ)」シリーズを展開するパナソニック モバイルコミュニケーションズが、初めてのAndroidスマホ「P-07C」を投入している。メニューアイコンをホーム画面に半円形で並べ、スクロールして選択する「タッチスピードセレクター」を採用していた。
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